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math 大阪府23年文理学科 空間図形(立体図形)


平成23年度の大阪府公立高校入試前期試験、文理学科の難問2題のうち、空間図形(立体図形)の問題を取り上げます。

23年度文理学科3番:図1、図2において、立体AEFB-DHGCは六つの平面で囲まれてできた立体である。四角形AEFBはAE=3cm、AB=5cmの長方形であり、四角形DHGCはDH=4cm、DC=9cmの長方形であって、平面AEFBと平面DHGCとは平行である。四角形ABCDはAB//DC、AD=BCの台形であり、四角形EFGHはEF//HG、EH=FGの台形である。四角形AEHDは、AE//DH、∠AEH=∠EHD=90°の台形である。四角形BFGCはBF//CGの台形であって、台形BFGC≡台形AEHDである。FG=xcmとする。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


図1(1)図1において、EとC、FとDをそれぞれ結ぶ。このとき、EF//DCであり、線分ECと線分FDは交わる。Iは、線分ECと線分FDとの交点である。Jは台形EFGHの対角線の交点である。IとJとを結ぶ。このとき、IJ//CG、IJ//DHである。

[1]台形AEHDの面積をxを用いて表わしなさい。

[2]線分IJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いもよい。


[3]線分ECの長さが11cmであるときのxの値を求めなさい。


図2(2)図2は、x=16であるときの状態を示している。
図2において、Kは辺EH上にあって、E、Hと異なる点である。Lは辺FG上にあって、LG=KHとなる点である。このとき、4点K、L、C、Dは同じ平面上にあり、4点K、L、C、Dを結んでできる四角形KLCDはKL//DC、KD=LCの台形である。LG=ycmとし、0<y<16とする。立体DC-KLGHの体積をyを用いて表わしなさい。






(求め方)
[1]台形AEHDの面積をxを用いて表わしなさい。

まず、必要な事項を図にかき込みます。
図1の2
(3+4)×x×1/2=7/2x













[2]線分IJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解図1の3答欄の図を用いもよい。

△JEF∽△JGHであり、EF:GH=5:9ですから、FJ:JH=5:9です。

次に、△IFJ∽△DFHであることに着目します。
IJ:DH=FJ:FHだから
IJ:4=5:14
14IJ=20
IJ=20/14
IJ=10/7






[3]線分ECの長さが11cmであるときのxの値を求めなさい。
図1の4
EC=11cmをヒントに、△CEGが直角三角形であることに気づき、まず、三平方の定理をもちいてEGの長さを求めます。

式1






EFを延長し、Gから直線EFに垂線をひき、交点をMとします。
EF=5、HG=9より、FM=(9-5)÷2=2です。

△GEMも、△GFMも直角三角形であることから、三平方の定理を使うとGMの長さを2通りに表わせることに気づいて、方程式をたてます。

式2











式3








最後の問題、次の(2)が難問です。

図2(2)図2は、x=16であるときの状態を示している。
図 2において、Kは辺EH上にあって、E、Hと異なる点である。Lは辺FG上にあって、LG=KHとなる点である。このとき、4点K、L、C、Dは同じ平面 上にあり、4点K、L、C、Dを結んでできる四角形KLCDはKL//DC、KD=LCの台形である。LG=ycmとし、0<y<16とす る。立体DC-KLGHの体積をyを用いて表わしなさい。






図2の2
左図のように、EFの延長線上に点G、点Hから垂線をひき、交点をM、Nとします。

そして、KLを延長した直線とGM、HNとの交点をO、Pとします。

立体DC-KLGHの体積は、三角柱DPH-COGの体積から、2つの三角錐C-LOGとD-PKHをひいたものだと考えます。

そのために求めないといけないのは、LOの長さとGOの長さです。

まず、△GLO∽△GFMより、LO:FM=GL:GF
式4





LO=y/8です。

次に、△GLOが直角三角形であることから、三平方の定理を使ってGOの長さを求めます。
式5









OG=3√7y/8です。


これでやっと解くことができます。

立体DC-KLGHの体積=三角柱DPH-COGの体積-(三角錐C-LOG+三角錐D-PKH)
式6




27√7y/4-√7y^2/16が答えです。





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math 大阪府23年文理学科 平面図形


大阪府公立高校入試前期試験、文理学科の問題はそのうちの2題が難しい問題でした。

この稿では難問2題のうちの一つ、平面図形の問題を取り上げます。

23年度文理学科2番:図1、図2において、円Oは、点Oを中心と図1し線分ABを直径とする円であり、AB=6cmである。Cは、円Oの周上にあってA、Bと異なる点である。OとC、BとCとをそれぞれ結ぶ。△COBの内角∠COBの大きさは、0°より大きく、60°より小さい。Dは、Aを通り線分OCに平行な直線と円Oとの交点のうちAと異なる点である。OとD、CとDとをそれぞれ結ぶ。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。
(1)図1において、△COB≡△CODであることを証明しなさい。

(2)図2において、Eは、Bを通り線分CDに平行な直線と円Oとの図2交点のうちBと異なる点である。Fは線分BEと線分OCとの交点であり、Gは線分BEと線分ODとの交点であり、Hは線分BEと線分ADとの交点である。
[1]HD=xcmとするとき、線分AHの長さをxを用いて表わしなさい。求め方も書くこと。
[2]HG=2GFであるときの線分EHの長さを求めなさい。






(求め方)
(1)図1において、△COB≡△CODであることを証明しなさい。
まず、問題に書いてあったこと、気づいたこと、必要なことを図にかきこんでおきます。
図1の2私なら、AB=6cmよりOA=OB=3を、半径OA=ODより二等辺三角形OADの底角になるので等しい角と、OC//ADより底角と等しい大きさの同位角と錯角に印を、かきこみます。


(解答)
△COBと△CODにおいて
円Oの半径だから、OB=OD・・・(1)
共通にふくまれるから、OC=OC・・・(2)
平行線の錯角だから、∠ODA=∠COD
平行線の同位角だから、∠OAD=∠COB
ところがOA=ODだから、∠ODA=∠OAD
よって、∠COD=∠COB・・・(3)
(1)(2)(3)より、2辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△COB≡△COD


(2)図2において、Eは、Bを通り線分CDに平行な直線と円Oとの交点のうちBと異なる点である。Fは線分BEと線分OCとの交点であり、Gは線分BEと線分ODとの交点であり、Hは線分BEと線分ADとの交点である。
[1]HD=xcmとするとき、線分AHの長さをxを用いて表わしなさい。図2の2求め方も書くこと。


まず、HDにxを記入します。

次に、あらたに加わった仮定CD//BEから同位角の∠OCD=∠OFG、∠ODC=∠OGFであり、半径OC=ODより∠OCD=∠ODCですから、△OHGと△OFGが二等辺三角形であることにも気づいておきます。
だから、DG=xです。

半径OD=3cmですから、OG=3-xです(大阪府の問題では、このかき込みが重要です)。

次に考えないといけないのは、何を手がかりにAHを求めるか、です。
中学生が使えるのは相似か三平方の定理ですから、いずれにしてもAHをふくむ三角形で考えようと発想しないといけません。

そうすると、図の色をつけた部分で△OBF∽△ABHが使えることに気づきます。

(解答)
∠ODC=∠OCD、CD//BEより∠ODC=∠DGH、∠OCD=∠CFB=∠DHG。
よって、△DHGは二等辺三角形であり、DH=DG=x
ゆえに、OG=3-x

同様に△OFGも二等辺三角形だから、OF=3-x

次に、△OBF∽△ABHであり、その相似比はBO:BA=3:6=1:2
よって、OF:AH=1:2

ゆえに、3-x:AH=1:2
AH=2(3-x)
AH=6-2x


[2]HG=2GFであるときの線分EHの長さを求めなさい。
この問題が難問でした(この問題でてこずって、最後の立体図形の問題を解く時間がなくなった受験生が多かったのではないでしょうか)。

まず、図に次のようにかき込みます。
図2の3
△DHG∽△OFGであり、HG=2GFだから、DG:GO=2:1、OD=3cmなので、DG=2cm、GO=1cmです。

[1]より、AH=2cmとなります。

EH=xも記入しておきます。
ところが、元の図のままだと求めたいEHが外に突き出した形となり、それでは長さは求められません。

そこで、ABが直径であったことから、AとEをむすび、直径の円周角である∠AEB=90°をかき込んでおきます。

この段階で、相似か三平方の定理かを使って解きたいのですが、解けません。
もう一つ、どこかの長さが求められないと式を立てられないのです。

図2の4
△ODAが二等辺三角形であること、DHが2でAHも2であることから、点HがADの中点であり、OとHを結ぶと∠OHA=∠OHD=90°であることはわかります。

△ODHで、三平方の定理が使えるのでOHの長さは√5です。

あともう1本、補助線が必要です。




図2の5
左の補助線DIをひくことで、私はやっと解けました。











△HOFで、三平方の定理を使いました。

図2の6















(別解)
昨日の授業で、N君は次のようにして解きました。
図2の7
BとDを結ぶ。

∠ADB=90°より、
△ABDは直角三角形で、AB=6、AD=4
よって三平方の定理より
BD=2√5

ゆえに、直角三角形BDHで、三平方の定理より、BH=2√6

△AEH∽△BDHより、
x:2=2:2√6
x=2/√6
x=√6/3








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math 大阪府23年前期・文理 二元一次方程式と解の個数


文字が2個で一次の方程式を二元一次方程式といいます。
大阪府公立高校の入試ではよく出題されます。平成23年度の前期試験と文理学科試験でも出題されました。

前期3番(2):サトシさんは、図1の容器に入っているすべての水を1図2に示した2種類のコップAとコップBに移し入れることを考えた。
「底面の半径が4cm、高さが9cmの円柱」K個の体積と、「底面の半径が3cm、高さが6cmの円柱」L個の体積との和が、「底面半径が8cm、高さが18cmの円柱」と等しいときの自然数K、Lの値の組をすべて求めなさい。
















(解き方)
問題文「「底面の半径が4cm、高さが9cmの円柱」K個の体積と、「底面の半径が3cm、高さが6cmの円柱」L個の体積との和が、「底面半径が8cm、高さが18cmの円柱」と等しい」の部分を方程式にします。

円柱の体積を求める公式は「底面積×高さ」ですから、4×4×π×9×K+3×3×π×6×L=8×8×π×18
両辺が18でわれることに気づき、先に18でわって式を簡単にします。
8πK+3πL=64π
両辺がπでもわれることに着目します。
両辺をπでわります。
8K+3L=64

これで文字がKとLの2個の二元一次方程式ができました。

このときの式、8K+3L=64を成り立たせる「自然数K、Lの値の組をすべて求めなさい」が問題です。

文字が2個あるとき、式も2個あれば連立方程式として解を求めることができます。
式が1個であれば、他に条件が加わることで初めて解くことができます。
つまり、文字が2個で式が1つの二元一次方程式を解くためには、つけ加わる条件を見つけることが必須です。

この問題だと、KとLは容器の個数です。
個数だから、自然数でないといけません。

結局、この問題は、「方程式8K+3L=64を成り立たせる自然数KとLの組を求めなさい」という問題だということができます。

このような問題は、8K+3L=64のままでも解くことは可能ですが、正確に解くために、「等式の変形」の考え方を使って1つの文字を表わす式に変形するのがよい方法です。

8K+3L=64
移項して、8K=-3L+64
両辺を8でわって、K=-3/8L+8
2


この式で、Kを自然数にするには、右辺の項にある分数の分母8を消さないといけませんから、Lは8の倍数であることがわかります。

L=8のとき、K=-3+8=5です。
L=16のとき、K=-6+8=2です。
L=24のときは、K=-9+8=-1となってしまって、Kが自然数ではなくなるので、24以上の8の倍数は問題の条件に反します。

以上より、「自然数K、Lの値の組」は、K=5,L=8と、K=2,L=16です。


同じ23年度、文理学科の問題の1番の(5)も、二元一次方程式と規則性の問題でした。

文理学科1(5):関数y=−3/4x+k(kは定数)のグラフ上にある点のうち、x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数をSとする。ただし、kは正の整数とする。
(1)k=10であるときのSの値を求めなさい。
(2)kが3の倍数であるときのSの値をkを用いて表わしなさい。



(解き方)
(1)k=10であるときのSの値を求めなさい。
「関数y=−3/4x+10のグラフ上にある点のうち、x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」を求める問題です。

条件は、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である」ことです。

yが正の整数であるためには、右辺の分数の分母である4が消えないといけませんから、xは4の倍数でないといけません。

x=4のとき、y=-3+10=7です。
x=8のとき、y=-6+10=4です。
x=12のとき、y=-9+10=1です。

xの値が4増えるごとにyの値が3ずつ減っていることで、やり方の正しいことを確認できますし、次のx=16だとyの値が負の数になるので上の3つ以外に解がないことも確かめられます。

以上より、点の個数Sは3個です。


(2)kが3の倍数であるときのSの値をkを用いて表わしなさい。
最初に問題を見たときは、どう解いたらよいのかすぐにはわかりませんでした。他の問題を解き終わってもどってきて、やっと解き方の見当がつきました。
「kが3の倍数である」ことからk=3nなどとする問題ではなくて、k=3、6、9、・・・となるときのSの個数について、規則性を見つける問題ではないかと考えました。


k=3のとき、y=-3/4x+3。このときk=4だとy=0となるので、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」は0

k=6のとき、y=-3/4x+6。このときk=4だとy=3、k=8だとy=0となるので、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」は1

k=9のとき、y=-3/4x+9。このときk=4だとy=6、K=8だとy=3、k=12だとy=0となるので、「x座標とy座標とがどちらも正の整数である点の個数S」は2

kが3増えるごとにSが1増えるので、S=1/3k+( )の式になると見当をつけられます。
そして、k=3のときのSが0になるので、( )に入る数は−1です。

以上より、S=1/3k−1です。





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Japanese 古文を読もう・11 平成23年度文理学科


平成23年度より始まった文理学科入試、どのような問題が出題されるのか興味津々だったのですが、今までの問題を少し難しくした感じで、出題傾向は以前と変わりませんでした。

平成23年度国語の問い2です。まず、入試問題だと気負わずに、(1)声に出して読む、(2)「何がおもしろいのか」、「何を言いたいのか」を読み取る、の2点に留意して、気楽に読んでみましょう。


二 梅をたづね、花を見るなどは、たれもたれもいふなるに、かしこの松のめづらしきを見ばや、ここの竹に、日をくらしてなどいふ人の、たまさかにもなきが、うらめしきなり。

さるはとこしなへにみどりふかく、所をわかで多かるものゆゑ、よしと見つつ、めづらしげなければなるべし。

たれがしが庭のおもしろうなどきこゆるに、松竹のなしときけば、そのあるじかたらまほしとも覚えぬよし、いふ人もあり。



実際の問題は、中学生が理解しにくい語については、本文の横に次のような訳がついていました。

梅をたづね、花(桜)を見るなどは、たれもたれもいふなるに(だれもがみな言うようだが)、かしこの松のめづらしきを見ばや(見たい)、ここの竹に、日をくらしてなどいふ人の、たまさかにもなき(めったにない) が、うらめしきなり。

さるは
(それというのは)とこしなへに(常にいつまでも)みどりふかく、所をわかで(どんな所にも)多かるものゆゑ、よしと見つつ、めづらしげなければなるべし。

たれがしが庭のおもしろう
(だれそれの庭が趣深い)などきこゆるに、松竹のなしときけば、そのあるじかたらまほしとも覚えぬよし、いふ人もあり(というようなことを言う人もいる)

注釈の現代語訳を参考にすれば、およその意味と作者の主張を読み取ることは容易なはずです。


注釈が書かれていない語で、知っていたらよい語としては次のようなものがあります。

ワンポイント・レッスン

かしこ」・・・「あそこ、あちら」

うらめしき」・・・「残念だ、悔しい」
形容詞「うらめし」の連用形。

かたらまほし」・・・「かたる(親しくする)」+「まほし(〜したい」=「親しくしたい」

覚ゆ」・・・「思われる」


文の主題(テーマ)を読み取ろう

梅や桜を誉める人は多いのに、松や竹を愛する人が少ないことを作者は残念に思っているのです。
いつも緑で、どこにでもあるのがその原因ではないかと言っています。
しかし、松や竹がない庭の持ち主とは趣味が合わないと述べています。


せっかく読んだので、ついでに出題された問題も解いておきましょう

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

梅をたづね、花(桜)を見るなどは、たれもたれもいふなるに(だれもがみな言うようだが)、かしこの松のめづらしきを見ばや(見たい)、(1)ここの竹に、日をくらしてなどいふ人の、たまさかにもなき(めったにない) が、うらめしきなり。

さるは
(それというのは)(2)とこしなへに(常にいつまでも)みどりふかく、所をわかで(どんな所にも)多かるものゆゑ、よしと見つつ、( (3) )なければなるべし。

たれがしが庭のおもしろう
(だれそれの庭が趣深い)などきこゆるに、松竹のなしときけば、(4)そのあるじかたらまほしとも覚えぬよし、いふ人もあり(というようなことを言う人もいる)


問い一
(1)ここの竹に、日をくらしての意味として次のうち最も適しているものを一つ選び、記号を書きなさい。
ア 毎日ここの竹を見ていたい
イ ここの竹で日の光が暗くなる
ウ 一日中ここの竹を見ていよう
エ ここの竹の売って暮らそう



(解答)ウ

吉田兼好『徒然草』の冒頭、「つれづれなるまゝに、日暮らし(=一日中)、硯(すずり)に向ひて」を知っていたら、簡単です。


問い二
(2)とこしなへにみどりふかく、所をわかで多かるものとあるが、これは何のことをこのように述べているのか。本文中のことばを使って書きなさい。



(解答)松と竹のこと
(教育委員会発表の模範解答)松竹

問い三
次のうち、( (3) )に入れるのに最も適していることばはどれか。一つ選び、記号を書きなさい。
ア あぶなげ
イ かなしげ
ウ うらめしげ
エ めづらしげ


(解答)エ


問い四
(4)そのあるじかたらまほしとも覚えぬは、ここでは「その家の主人とは語り合いたいとも思われない」という意味であるが、このように言う人の庭に対する考えを次のようにまとめた。(   )に入る内容を、本文中から読み取って現代のことばで15字程度で書きなさい。
だれもがみな梅や桜を見たがるが、庭は(   )という考え。



(解答)松と竹があってこそ趣深い(12字)
(教育委員会発表の模範解答)松竹がないと趣深いとは言えない(15字)

この問いだと、本文中の注釈にのっていた「趣深い」を活用するのがコツです。



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math ややこしい立体の体積は、柱と錐に分割して求める


どうして求めたらよいのか悩んでしまう、ややこしい立体の体積は、柱と錐に分割すると一番簡単に求めることができます。


例題:図のような三角柱ABC-DEFがあり、DF=DA=6cm、
例題1DE=8cm、∠FDE=90°である。点Pが辺BC上にあるとき、この三角柱を3点P、D、Eを通る平面で切ったところ、切り口は台形PQDEとなった。立体AQD-BPEの体積が三角柱ABC-DEFの体積の1/6になるとき、線分AQの長さを求めよ。





(解き方)
この問題の立体AQD-BPEは、三角柱でもなければ三角錐でもありません。
中学生が体積を求めることができるのは、〜柱の仲間(体積の公式は底面積×高さ)と〜錐の仲間(体積の公式は底面積×高さ×1/3)と球だけですから、このままだと求められません。

ではどうするか?

こんなときは、自分の限界を逆手にとって、求められるのは〜柱と〜錐しかないのだから、そして、できない問題が出題されるはずはないのだから、に分割したら解けるのではないかと考えます。

例題1の2(方法1)
一つの方法は、左の図のように、面ADPで切って分割する方法です。
三角錐P-QDAと、四角錐P-ADEBに分割できたので、公式:底面積×高さ×1/3をもちいて、それぞれの立体の体積を求め、それをたすと立体AQD-BPEの体積が求められます。

この方法はスマートで、たいていの模範解答もこの解き方をしていますが、(1)運がよくないと切断面をすぐには見つけられない、(2)正しく錐に分割できているかどうか見た目で判断しにくい、という欠点があります。


(方法2)
知っていれば簡単に解ける方法として、切頭三角柱の体積の公式を使う方法もあります。
切頭(せっとう)三角柱とは、三角柱を斜めにスパッと切った立体のことです。

切頭三角柱は、底面積×3つの高さの平均、この問題の立体AQD-BPEだと、△AQDが底面積でPQ、BA、EDが高さですから、△AQD×(PQ+BA+ED)÷3で求められます。

しかし、この切頭三角柱の公式は、中学生対象のほとんどの本にはまったくのっていません(私も、おととい中3生から質問されて初めて知りました)。


(方法3)
最後に、三つ目の方法として、最も見つけやすく、さらに、正しいかどうかを見た目で簡単に判断できる方法として、柱と錐に分割する方法があります。
例題1の3
左の図のように、点Pを通り、面AQDと平行な平面で立体AQD-BPEを分割します。
切った面と辺ABとの交点をR、辺DEとの交点をSとすると、立体AQD-BPEを、三角柱AQD-RPSと、四角錐P-RSEBに分割することができます。

三角柱は簡単に見つかりますし、見ただけで柱と錐にうまく分割できたことを確認できるので、私はこの方法が一番よいのではないかと思っています。

この方法で問題を解いてみましょう。


(解答)
線分AQの長さを求めよ」とあるので、AQをxとします。
例題1の4CQ=6-xとなります。

辺PQの長さを求めておきます。△CQP∽△CABですから、6-x:6=辺PQ:8
6×PQ=8(6-x)
6×PQ=48-8x
PQ=8-4x/3

よって、RBの長さは、8-(8-4x/3)=4x/3です。

これで準備完了です。

立体AQD-BPE
=三角柱AQD-RPS+四角錐P-RSEB
例題1の5













立体AQD-BPEの体積が三角柱ABC-DEFの体積の1/6になる」とあるから、この文を方程式にして、
例題1の6

















以上より、AQの長さは(9−3√7)cmです。




例題2:図のように、底面の1辺の長さが√3cm、高さが6cmの正三角柱ABC-DEFがある。辺AD、BE、CF上にそれぞれAP=1cm、例題2BQ=2cm、CR=3cmとなるように点P、Q、Rをとる。
(1)△PQRの面積を求めよ。
(2)この正三角柱を3点P、Q、Rを通る平面で切ったとき、大きい方の立体の体積を求めよ。












(解答)
(1)△PQRの面積を求めよ。

まず、「目に見える」ように、必要な数値や線を図にかき込みます。
例題2の2例題2の3















点Pを通り辺ABに平行な直線と辺BEとの交点をS、点Qを通り辺BCに平行な直線と辺CFとの交点をTとします。

三平方の定理より、PS=√3、SQ=1より、PQ=2
同様に、QT=√3、TR=1より、QR=2

例題2の4点Pを通り辺ACに平行な直線と辺CFとの交点をUとします。

PU=√3、UR=2だから、三平方の定理よりPR=√7












例題2の5
さらに解きやすいように、△QPRをかきます。

高さをxとすると、三平方の定理より、
例題2の6
















よって、△PQRの面積は√7×3/2×1/2=3√7/4です。



(2)この正三角柱を3点P、Q、Rを通る平面で切ったとき、大きい方の立体の体積を求めよ。
例題2の8
点Rを通り面DEFに平行な面で切って、下の三角柱と上の四角錐に分けます。

まず、下の三角柱の体積から求めます。
底面は1辺が√3の正三角形です。

例題2の7
三平方の定理より、正三角形の高さは3/2になります。

下の三角柱の体積は、
=底面DEF×高さ3cm
=√3×3/2×1/2×3
=9√3/4



次に、四角錐の体積を求めます。
底面(下の図の斜線部)は上底1、下底2、高さ√3の台形です。

例題2の9また、四角錐の高さは、正三角形ABCの高さと等しい3/2です。

以上より、四角錐の体積は、
(1+2)×√3×1/2×3/2×1/3=9√3/12









以上より、求める体積は、
9√3/4+9√3/12=3√3











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math 空間図形と相似、面積比、体積比 発展問題


空間図形と相似、面積比、体積比の応用発展問題です。

例題1:正四面体ABCDの辺AD、辺BD、辺CDの中点をそれぞれ点E、相似な立体発展問題点F、点Gとする。四角錐E-BCGFの体積は、もとの正四面体ABCDの体積の何倍か。













(解答)
まず、三角錐E-FGDが正四面体A-BCDのどれだけにあたるかを求めます。

点EがADの中点、点FがBDの中点、点GがCDの中点だから、ED=1/2AD、EF=1/2AB、EG=1/2AC、FD=1/2BD、FG=1/2BC、GD=1/2CDより、三角錐E-FGDは正四面体A-BCDと相似です。

相似な立体で、相似比が1:2のとき、体積比はそれぞれの3乗の1:8です。
だから、三角錐E-FGDの体積は正四面体ABCDの1/8です。…(1)

次に、三角錐E-BCDの体積を考えます。
2点Aから底面BCDにひいた垂線をAH、点Eから底面BCDにひいた垂線をEIとすると、AD:ED=1:2よりAH:EI=1:2です。

正四面体ABCDと三角錐E-BCDは、底面が共通で高さがAH:EI=2:1。
よって、四角錐E-BCDの体積は正四面体ABCDの体積の1/2です。…(2)

(1)(2)より、四角錐EBCGFの体積は、
三角錐E-BCD−三角錐E-FGD
=正四面体×1/2−正四面体×1/8
=正四面体×(1/2−1/8)
=正四面体×3/8

答えは3/8倍です。


例題2:図の四面体ABCDで、AE:EB=2:1、AF:FC=1:1、例題2AG:GD=1:2である。四面体AEFGと四面体ABCDの体積比を求めよ。












(解答)
例題2の2まず、四面体AEFGの底面を△AEFとみて、四面体ABCDの底面△ABCの何倍になっているかを見つけます。

高さが等しい三角形の面積の比は底辺の比と等しいから、
△AEC=△ABC×2/3

同様に、△AEF=△AEC×1/2

よって、△AEF=△ABC×2/3×1/2=△ABC×1/3…(1)




例題2の3
次に、四面体AEFGの高さが、四面体ABCDの高さの何倍になっているかを見つけます。

点Gから面AEFにひいた垂線をGH、点Dから面ABCにひいた垂線をDIとします。

AG:AD=1:3より、GH:DI=1:3

よって、四面体AEFGの高さは、四面体ABCDの高さの1/3です。…(2)

(1)とに(2)より、四面体AEFGと四面体ABCDを比べたとき、四面体AEFGの底面積が1/3で、高さは1/3であることがわかりました。

よって、四面体AEFGの体積は四面体ABCDの体積の(1/3)×(1/3)=1/9です。

体積の比をきいているので、答えは1:9です。




例題3:底面が正方形である四角錐O-ABCDがある。
例題3OP:PA=1:2、AQ:QB=1:1、AR:RD=1:2とする。四角錐O-ABCDの体積と三角錐P-CQRの体積の比を、もっとも簡単な整数の比で表せ。











(略解)
まず、三角錐の底面RQCが四角錐の底面ABCDのどれだけにあたるかを求めます。

△AQR=(底辺AQはABの1/2)×(高さはAR:ADと一致するから1/3)×(三角形の面積の公式の1/2)=底面ABCDの1/12

△QBC=(底辺QBはABの1/2)×(高さは△QBCの高さと同じで1)×(三角形の面積の公式の1/2)=底面ABCDの1/4

△DRC=(底辺DRはADの2/3)×(高さは△DRCと同じで1)×(三角形の面積の公式の1/2)=底面ABCDの1/3

よって、三角錐の底面RQCの面積は、四角錐ABCDの底面の正方形ABCD−△AQR−△QBC−△DRCだから、1−1/12−1/4−1/3=4/12=1/3…(1)

次に三角錐の高さが四角錐の高さのどれだけにあたるかを求めます。

高さの比はAP:AOの比と一致するから2・3。
よって、三角錐の高さは四角錐の高さの2/3…(2)

(1)、(2)より、底面積が1/3で高さが2/3だから、体積は(1/3)×(2/3)=2/9

以上より、四角錐O-ABCDの体積と三角錐P-CQRの体積の比は9:2です。




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math 円錐・円錐台と面積比・体積比


平成23年度公立高校入試で、移行措置のからみで多分出題されるであろう問題の一つは、相似な図形の面積比、体積比の問題です。

例題1:図1の立体は、母線の長さ20cm、底面の半径6cmの円錐図1を、母線OBの中点Aをふくみ、底面に平行な平面で切り、小さな円錐を取り除いたものである。また、点Hはもとの円錐の底面の中心である。
(1)切り口の面積を求めよ。
(2)この立体の体積は、もとの円錐の体積の何倍か。
(3)この立体の底面に垂直で、点Hをふくむ平面で切ると、その切り口はどんな形の四角形になるか。
(4)もとの円錐の側面となるおうぎ形の中心角を求めよ。
(5)図1の立体の側面の展開図をかくと、図2のようになる。この展開図の面積を求めよ。

図2













(解答)
いつものように、まず「可視化」。
問題文を読み直さないでもいいように、必要な数値を図にかき込んでおきましょう。
図1の2
(1)切り口の面積を求めよ。
点Aが母線OBの中点だから、中点連結定理より、取り除いた小さい円錐の底面の半径は3cmです。
よって、3×3×π=9π

(相似形の面積比が2乗になることを使った別解)
点Aが母線OBの中点だから、取り除いた小さい円錐と、母線の長さが20cmで底面の半径が6cmの円錐との相似比は1:2
相似比が1:2だから、切り口の面積:半径6cmの底面の面積=1:4
半径6cmの底面の面積は6×6×π
よって切り口の面積をxとすると、x:36π=1:4
4x=36π
x=9π




(2)この立体の体積は、もとの円錐の体積の何倍か。
三平方の定理を用いて円錐の高さを求めてから体積を求めることもできますが、ここでは相似形の体積比をもちいて解いてみましょう。

相似比が1:2だから、切り取った小さい円錐ともとの円錐の体積比はそれぞれを3乗して1:8
もとの円錐の体積の比が8で、切り取った円錐の体積の比が1だから、円錐台の体積の比は8−1=7

よって、7÷8=7/8倍。


(3)この立体の底面に垂直で、点Hをふくむ平面で切ると、その切り口はどんな形の四角形になるか。
図1の3
左図でわかるように、上底の長さが6cm、下底の長さが12cmの等脚台形です。

















(4)もとの円錐の側面となるおうぎ形の中心角を求めよ。
側面のおうぎ形の中心角は、360度×底面の半径/母線となります(→こちらを参照)

よって、360°×6/20=108°


(5)図1の立体の側面の展開図をかくと、図2のようになる。この展開図の面積を求めよ。
図2
点Aが中点なので、半径20cmで中心角108°のおうぎ形から半径10cmで中心角108°のおうぎ形を切り取った形です。

よって、20×20×π×108/360-10×10×π×108/360
=20×20×π×3/10-10×10×π×3/10
=120π-30π
=90π


(相似形の面積比が2乗になることを使った別解)
半径20cmで中心角108°のおうぎ形と、半径10cmで中心角108°のおうぎ形の相似比は1:2

よって、2つのおうぎ形の面積はそれぞれの2乗の1:4

したがって図の斜線部の面積の比は4-1=3

また、半径10cmで中心角108°のおうぎ形の面積は10×10×π×108/360=30π

以上より、斜線部の面積をxとすると、
30π:x=1:3
x=90π



例題2:図のような円錐の容器に深さ5cmまで水が入っている。水面2をさらに5cm高くするのに140立方cmの水を要した。最初にあった水の体積を求めよ。















(解答)
この問題は、相似な図形の面積比・体積比の考え方を使わないと解けない問題だと思われます。

最初に入っていた水は円錐形であり、高さは5cmです。

140立方cmの水を入れたあとの水全体の形も円錐で、高さは10cmです。

高さ(長さ)の比は5:10=1:2です。

よって、体積の比はそれぞれを3乗した1:8です。

ということは、最初に入っていた水の量の割合が1で、水を入れたあとの水全体の量の割合は8、だからあとで入れた水の量は8−1=7ということになります。

ゆえに、最初にあった水の体積をxとすると、
140:x=7:1
7x=140
x=20

答えは20立方cmです。




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math 相似比・面積比・体積比(面積比が2乗、体積比が3乗になる証明)


相似な図形で、対応する辺の長さの比である相似比が例えば1:2であれば、面積の比はそれぞれの2乗(平方)の1:4、体積の比はそれぞれの3乗(立方)の1:8になります。
相似比と面積、体積





なぜか?と聞かれたとき、長さがa倍のとき、面積は2次元で縦×横だからa×a、体積は3次元で縦×横×高さだからa×a×aであるといえるし、だから面積の単位は平方cm、体積の単位は立方cmなんだよ、といえないこともありませんが、もう少しきちんと証明したいものです。


問題1:図の2つの長方形は相似で、長方形ABCDと長方形EFGHの図1相似比は1:kである。次のことを示せ。
(1)周の長さの比は1:kである。
(2)面積の比は1:k2乗になる。








(証明)
(1)
相似比が1:kだから、EF=ka、FG=kbである。
長方形ABCDの周の長さはa×2+b×2=2a+2b=2(a+b)
長方形EFGHの周の長さはka×2+kb×2=2ka+2kb=2k(a+b)

よって、周の長さの比は2(a+b):2k(a+b)
両辺を2(a+b)でわって、1:k

(2)
長方形ABCDの面積はa×b=ab
長方形EFGHの面積はka×kb=k2乗×ab

よって、面積の比はab:k2乗ab
両辺をabでわって、1:k2乗



問題2:図の2つの直方体は相似で、直方体ABCD-EFGHと直方体図2IJKL-MNOPの相似比は1:kである。次のことを示せ。
(1)表面積の比は1:k2乗である。
(2)体積の比は1:k3乗になる。










(証明)
(1)
相似比が1:kだから、IJ=ka、JK=kb、JN=kcである。
直方体ABCD-EFGHの表面積はa×b×2+b×c×2+a×c×2
=2ab+2bc+2ac
=2(ab+bc+ac)

直方体IJKL-MNOPの表面積はka×kb×2+kb×kc×2+ka×kc×2
3




よって、表面積の比は
4




(2)
直方体ABCD-EFGHの体積はa×b×c=abc

直方体IJKL-MNOPの体積はka×kb×kc
5




よって、体積の比は
6




以上の2問より、
相似比と面積、体積






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social studies 古墳時代と古墳


古墳時代(3世紀半ば〜8世紀初め)

縄文時代、弥生時代に続く、わが国で古墳とくに前方後円墳が作られた時代を古墳時代といいます。
3世紀半ば(紀元250年頃)〜8世紀初め(710年)までを古墳時代とする説が有力です。

古墳時代のうち、6世紀末〜8世紀初め(710年)は飛鳥時代と重なります。


3世紀半ば〜6世紀末は前方後円墳がほとんどで、7世紀になると方墳、円墳、八角墳が多くなります。

政治的には、ヤマト政権大和王権ヤマト王権)が成立し、全国の統一を進め、わが国が一つの国としてまとまっていった時代です。


(言葉の説明)
古墳…土を盛りあげてつくった「おか」(墳丘(ふんきゅう))を備えた墓のことを古墳といいます。

前方後円墳…上空から見ると鍵穴のような形をした、前部は四角形で後部が円形の古墳。
日本独特の形だとされています(朝鮮西南部にも存在するという説もあります)。

方墳・円墳・八角墳…四角形の古墳が方墳、円形の古墳が円墳、八角形の古墳が八角墳です。



古墳時代はさらに3つに分類されます。

3世紀半ば〜4世紀(紀元250年〜400年)

ヤマト政権が国内の統一を進めていった時代です。倭(わ:日本の古い国名)は朝鮮半島にも進出し、高句麗と戦います。

畿内(きない: 都に近い、山城(京都府)・大和(奈良県)・河内・和泉・摂津(大阪府)の5国を指します。)を中心に、円墳・方墳・前方後方墳・前方後円墳が作られました。

中に竪穴式石室があり、周囲に円筒埴輪が置かれました。

奈良県桜井市の箸墓古墳(はしはかこふん)がこの時代の代表的な古墳です。


(言葉の説明)
竪穴式石室…古墳の内部を掘り込んで壁を石で作り、上を石でふさいで部屋状にしたもの。内部にひつぎをおさめました。

埴輪…埴(=土で作った)、輪の形をした、素焼きの土器のことです。古墳の周囲に並べられました。
聖なる場所であることを示すために並べたという説と、古墳が崩れないように支えとして並べたという説があります。

円筒埴輪…古墳時代初期に多い埴輪です。土管のような円筒形をしています。



5世紀(紀元401年〜500年)

ヤマト政権の支配がほぼかたまり、倭の五王が中国に使いを送るなど、外交にも力を入れ始めた時代です。

全国の平野部に前方後円墳がさかんに作られました。

古墳の中には竪穴式石室、周囲には形象埴輪が置かれました。

大阪府堺市の大仙古墳(大仙陵古墳)はこの時代に作られました。


(言葉の説明)
形象埴輪…具体的な物の形をした埴輪です。
人物、馬などの動物、武器、家の形をかたどったものなどがあります。



6世紀〜8世紀初め(紀元501年〜710年)

百済から仏教が伝わるなど、整備された政治制度と文化による統治が確立していった時代です。

大型の前方後円墳は作られなくなり、全国的に山間部に小さい前方後円墳や、群集墳、方墳が作られた時代です。

横穴式石室が一般的となり、円筒埴輪と形象埴輪が置かれました。

奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳がこの時代の古墳です。


(言葉の説明)
横穴式石室…古墳の横から出入りできる穴を備えた石室です。石室を玄室といい、通路を羨道(せんどう)といいます。
竪穴式石室とちがって、あとで別の死者を葬ることができました。



古墳時代の後期(6世紀末〜8世紀初め)は飛鳥時代と重なります。

飛鳥時代

崇峻天皇5年(592年)から和銅3年(710年)の119年間。

飛鳥に都が置かれていた時代で、古墳時代の終末期と重なります。以前は、古墳時代と合わせて大和時代とされていました。

推古天皇のときに飛鳥文化、天武・持統天皇のときに白鳳文化が栄えました。

この時代に倭国(倭)から日本へ国号を変えたとされています。





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essay 友だちと一緒にするテスト勉強


朝日新聞2011年2月15日朝刊の記事から。
特集『いま子どもたちは』を連載中ですが、「教え合う 友達も『先生』」という記事がありました。

要約すると・・・

テスト前の土日の朝、大阪府池田市立池田中学校の図書室は「自習室」に変わる。

期末試験を控えた土曜日、3年生の20数人が集まった。

中2の春、東京から転校してきたHさんの手が止まると、他の単元を勉強していたFさんが助け舟を出す。

家では、ついマンガを読んだり、テレビを見たりしてエンジンがかかるまで時間がかかる。でも図書室で友だちと一緒なら、すーっと「勉強モード」に入っていけるという。

全員が集中しているわけではない。フラッと図書室を出ていく男子。友達とのおしゃべりをはさむ女子。

教師の参加も自由。
突然、理科の質問を振られた技術の男性教諭は「うそは教えられへんし」と携帯を使い、人体模型図を検索した。女子たちが集まって、小さな画面をのぞき込んだ。

池田中には、大学生が朝から空き教室に詰めている「まな部屋」や、地域の人が手伝う土曜授業がある。たまたま近くにいる人が、その日の先生。

そんな「ナナメの関係」の柔軟さが「ヨコの関係」も育てるのだろうか。校内では、友達同士で教え合う姿をよく見かける。


以上が記事の内容です。


仲良きことは美しき、かな?

この記事を読んだ私はどう感じたでしょうか?

「ええ記事やなあ、こうして子どもたちが一緒に勉強することの楽しさを覚えてくれたら、教える子も教えられる子も成長して成績が上がるぞ。」と思ったかというと、その正反対です。

読んだ瞬間思ったのが、「また、この記事を読んで騙されてしまうメディア・リテラシー(情報判断能力)のない親や子がいたらいやだなあ。朝日新聞はいい新聞だけど、時々こうやってきれいごとで世を誤らせる。困った記事だ。」です。


「友達と一緒に勉強する」は、最悪のテスト勉強


「友達を大切にする」、「友達のために尽くす」は、おそらく人生の徳目の中でも最上位に位置する大事な道徳の一つです。
友達に勉強を教えることそれ自体は素晴らしいことです。
私もそれは認めます。

しかし、それと「一緒に勉強する」こととは、次元も違うし、なんの関係もありません。


2学期の期末テスト前にもこういうできごとがありました。

別の校舎から事務室にもどったら机の上に講師からのメモが置いてありました。
「中1のA、B、Cさんの3人が、試験前の1週間テスト勉強を一緒に頑張りたいので教室を自習に使わせてほしいとのことです。」
読んだ私は、事務室の講師たちと顔を見合わせて苦笑い。

苦笑いの意味は、(1)子どもたちが自分で考えてよかれと思ってあれこれするのはいいことである、(2)そのことに塾として最大限協力するのはやぶさかではない、(3)しかし、結果は最初から見えている、です。

私が了承したので、3人は1週間張り切ってやってきました。私たちも、勉強に集中できるように席まで指定し、手があいていたら質問も受けました。

期末試験が終わってテスト結果を集計すると、1週間頑張った3人の成績は3人ともこれまでの点数を大きく下まわり、最悪でした。

これが、「最初から見えていた」結果です。

親御さんもよくご存知です。

直後の懇談会で3人の保護者の方が口をそろえておっしゃったのが、「ねえ、私もやめときなさいと言ったんですよ。でも、ま、いいか、やってみたらわかるだろうと。結果は案の定。次は一人でしいやと言ったら、ショックだったんでしょう、今度は素直にうなずいてました。」

この3人は、私たちの目を盗んで遊んでいたわけではありません。自分たちなりに、まじめにやっていたはずです。それこそ、わからないときは教え合って。

それでも、友達と一緒にテスト勉強をすると、100%以上の確率で(どんな確率やねん)確実に成績は大きく下がります。


「人に教えたら賢くなる」も嘘

当地の公立の小・中学校では、習熟度授業で「教え合い」を奨励する学校もあります。
意地悪な私に言わせれば、「先生の手抜き」に近い。

私は、塾の授業中でも、隣の子に聞いたりする子には「友達に聞いたらあかん、私たちが質問に答えるためにいるんだから、私に聞け。」とよく注意します。

友達同士で教え合うのを許したらざわついて、しいんとした中で勉強に集中したい子の迷惑になるから、も小さな理由の一つですが、最大の理由は、教え合いは「教える子も教えられる子も賢くはならない」からです。

よく、「人に教えたら自分自身もよくわかっていないことがわかって成長できた」などというきれいごとを言う人がありますが、まったくの大嘘です。

もしそれが真実なら、子どもたちに毎日ものを教えているわれら塾講師は、日々賢くなって大天才になっているはずです。

私たちアホな塾講師の存在こそ、「人に教えたら賢くなる」説が大嘘であることの最高の証明です。


勉強とは、孤独なものです。

自分ひとりで、自分とだけ向かい合って、自分ひとりで考え、自分ひとりで苦悩しないと、決して成績は上がりません。


余談:文章としても最低

今、公立入試直前で、中3生に小論文、作文を書かせていますが、私だったら、この記事の文章だとほとんど点はあげません。

もう一度、記事の最後の「そんな「ナナメの関係」の柔軟さが「ヨコの関係」も育てるのだろうか。校内では、友達同士で教え合う姿をよく見かける。」をながめてください。

記者さんは、「教え合い」が素晴らしいと読者に思ってほしいのです。
しかし、断定する自信はないし、自分の言葉に責任をもつ勇気もないものだから、「
「ナナメの関係」の柔軟さが「ヨコの関係」も育てるのだろうか。」などという、いい「気分」にだけはさせるが根拠も内容もまったくない空虚な言い回しで卑怯にも、自分自身の言葉に対する責任から完全に「逃げて」いるわけです。


世の中を誤らせるのは、こういう言説です。



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