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math 過不足算・差集め算の応用問題
- 2010.07.31 Saturday
- 算数・数学
- 18:07
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- by アリ
過不足算の基本問題
例題1:
クラス全員に鉛筆を配ります。1人に4本ずつ配ると48本あまり、1人に7本ずつにすると33本不足します。学級の人数と鉛筆の本数を求めなさい。
(解き方)
1人に4本ずつ配るのと7本ずつ配るのとでは、1人につき3本ちがいます。
鉛筆が48本あまるのと33本不足するのとでは、全体で48+33=81本ちがいます。
1人で3本ちがって、その合計が81本ですから、人数は81÷3=27人です。
1つの式にまとめると、(48+33)÷(7−4)=27人。
全部のちがいを1人分のちがいでわることで人数を求めることができます。
鉛筆の本数ですが、4本ずつ27人に配ると48本あまることから、4×27+48=156本。
または、7本ずつ27人に配ると33本不足することから、7×27−33=156本。
この問題は、『ほとんどの文章題は1つの式、(全体のちがい)÷(1つ分のちがい)で解ける』の代表的なものです。
この問題を少し難しくすると、次のような問題になります。
過不足算の応用問題
例題2:
修学旅行で1室に5人ずつ泊まると3人あまり、1室に6人ずつにすると、ちょうど2室あまります。生徒数は何人ですか。
(解き方1)
まず、例題1と同じように解いてみます。
1室のちがいは6−5=1人です。
6人ずつだと2室余るということは、全室に泊まるには6人×2=12人不足するということです。
3人あまるのと、12人不足するのとのちがいは、3+12=15人です。
全体で15人ちがい、1室でのちがいは1人なので、室数は(3+12)÷(6−5)=15室。
生徒数は、5×15+3=78人、または6×(15−2)=78人。
この解き方でよいのですが、もう少し『可視化(かしか)』(目に見えるかたち)してみましょう。
(解き方2)
赤色の線より左の部屋は、1室につき6−5=1人ずつちがっていることが一目でわかります。
そして、人数のちがいが5×2+3=13人であることも一目瞭然です。
(5×2+3)÷(6−5)=13室(赤色の線より左側の部屋の数)。
部屋の数は13+2=15室。
生徒の人数は5×15+3=78人、または6×13=78人。
(解き方1)、(解き方2)のどちらの解き方でもよいのですが、難しい問題ほど、目に見えるかたちにして、目で見ながら考え、正確に解くことが要求されます。
その意味では、(解き方2)のほうが『よい解き方』だと言えるかもしれません。
そして、この「目に見えるかたち」にして解くとき、目をつけるべき場所は、「個数が共通」で、「1つのちがいを比べられる」部分です。
図だと、赤色の線の左側の部分です。
この部分は、室数が共通で、中に泊まる人数だけが違っています。
この部分を見つけて、それを手がかりにしたら、問題がややこしくなっても解くことができます。
もう少し難しい問題を、『目に見えるかたち』にして解いてみましょう。
例題3:
長いテープを10等分したら短くなりすぎたので、同じ長さのテープを8等分したら前より5cm長くなりました。このテープの長さを求めなさい。
(解き方)
10等分と8等分で、個数が共通で「1つのちがい」を比べられる部分は、左の図の赤色の線より左側の部分です。
テープの個数は8本、1本で5cmずつちがっているので、8本分のちがいは5×8=40cm。
この40cmが、10等分したテープの2本分にあたるから、10等分したテープの1本文は40÷2=20cm。
テープの全長は、20×10=200cm。
8等分したときのテープの長さは20+5=25cmだから、25×8=200でも確かめられます。
例題4:
ある円のまわりに10cmおきに碁石を置くと4個あまります。そこで4cmおきに碁石を置きなおそうとしたら8個不足します。この円の周の長さは何cmですか。
10cmおきに碁石を置いたとき、碁石は4個あまっています。4cmおきに置いたとき8個不足するので、置いた碁石のちがいは12個です。
「1つ分のちがい」を比べられる円周上の長さのちがいは、4cm×12個分の48cmだということです。
この48cmのちがいは、1つの間隔のちがいである10−4=6cmから生じたので、48÷6=8個。
つまり、10cmおきにおいた碁石の個数は8個です。
だから、円の周は、10×8=80cm。
以上4題の例題の考察からわかるように、過不足算・差集め算の応用問題を解くコツは、
(1)「目に見えるかたち」にして解く
(2)目をつけるべき場所は、「個数が共通」で、「1つのちがいを比べられる」部分である
だと思われます。
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science 凸レンズの一部をおおったときの像の見え方
- 2010.07.30 Friday
- 理科
- 00:10
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- by アリ
凸レンズでできる像についての一般的な説明は、こちらをご覧ください。
この稿では、「凸レンズの一部を紙などでおおって隠したとき、像の見え方はどうなるか?」を考察します。
凸レンズの焦点より外側にものを置くと、凸レンズの反対側に、倒立した実像ができます。
実像の位置にスクリーンを置くと、スクリーンで反射した光が私たちの目に届き、実像を見ることができます。
ところで、どこに実像ができるかを調べるとき、上の図のように、通常は、ものの先端から出た光のうち、光軸に平行に進んで焦点を通る光と、レンズの中心を通って直進する光の2つ使って作図します。
ものの先端からは無数の光があらゆる方向に出ていますが、進む方向が確定している光2つだけを使って作図すれば、その交わる点が実像の先端だとわかるからです。
しかし、実際には、ものの先端からは無数の光があらゆる方向に出ています。そして、ものの先端を出て凸レンズを通過した光はすべて凸レンズを通過するときに屈折し、実像の先端の部分に集まっています。
もとのものが自ら光を発する光源ではないとき、そのものが私たちに見えるのは、光源から出た光がものに当たり、もので反射して私たちの目にとび込んでいるからです。
同様に、ものの先端で反射していろいろな方向に反射した光のうち、凸レンズの方向に反射して進んで凸レンズの鏡面で屈折して進んだ光は、実像の先端の部分に集まり、その位置にスクリーンを置くと、またスクリーンの表面でいろいろな方向に反射します。
その反射した光のうちの一部が私たちの目にとび込んでくるので、私たちはスクリーンの上に、もとのものが上下左右反対になってうつった像を見ることができるのです。
簡単にまとめると、
まず、ものが私たちに見えるのは、光が、光源→もの(ここで反射)→私たちの目の順に届いているからです。
次に、実像の位置にスクリーンを置くとスクリーンにうつった実像が私たちに見えるのは、光源→もの(ここで反射)→レンズ(屈折して通過)→スクリーン(ここに集まって反射)→私たちの目の順に届いているからです。
ここまでを納得して、やっと本題に入ります。
凸レンズの一部を紙などでおおうと、スクリーンにうつる実像はどうなるか?
凸レンズを、真ん中を丸くくりぬいた紙でおおってみます。
凸レンズを横から見ると、凸レンズの上と下が隠されて、光が通過しない状態になっているはずです。
その状態で、ものの先端から出た光がどうなっているか、考えてみましょう。
左図の、凸レンズの表面に緑で描いた部分が紙でおおわれている部分です。
今までレンズを通過していた光のうち、紙に当たった光は、紙にさえぎられてレンズを通過することができません。
そして、上の図から、2つのことがわかります。
(1)紙でさえぎられて凸レンズを通過する光の量は変わるが、紙にさえぎられていない部分を通過した光は実像の位置に集まっている。つまり、凸レンズの一部を紙でおおっても、実像ができることに変わりはない。
(2)凸レンズを通過する光の量が少なくなるから、実像の明るさは暗くなるはずである。
つまり、レンズの一部を何かでおおって光が通過しないようにしたとき、実像はおおわないときと同じものができること、実像の明るさは暗くなることがわかります。
そして、この理屈は、凸レンズのおおい方をかえても(例えば、凸レンズの上半分や下半分、右半分や左半分をおおってみても)かわらないはずだということもわかります。
また、例えば凸レンズの面積の半分をおおってしまうと、凸レンズを通過する光の量も半分になるはずなので、実像の明るさも半分になるであろうこともわかります。
以上より、「凸レンズの一部を紙などでおおって隠したとき、像の見え方はどうなるか?」の答えは、(1)凸レンズをおおう前と同じ実像ができる、(2)実像の明るさは暗くなる、だということになります。
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Japanese 副詞の見つけ方
- 2010.07.29 Thursday
- 国語
- 10:22
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- by アリ
これも、今日の授業中の質問から。
例題:
次の各組の傍線部の語のうち、副詞はどちらですか。記号で答えなさい。
(1)
ア、家中の鏡をぴかぴかに磨く。
イ、遠くの灯台がぴかぴか光っている。
(2)
ア、今度の小説の題名を急に思いついた。
イ、この窓から眺める夕日は実に美しい。
(3)
ア、話のおおかたは理解することができた。
イ、まだ来ないとは、おおかた寝坊でもしたのだろう。
(4)
ア、あなたのよくいくお店を教えてください。
イ、今日は天気もよく気温も高いので、プール日和だ。
(5)
ア、お忙しいようなので、明日また来ますね。
イ、今日でもいいし、また明日でもいい。
(解答)
(1)「ぴかぴかに」は、「ぴかぴかだ」と活用するから形容動詞で、用言である動詞「磨く」を修飾する連用形。「ぴかぴか」は、活用しないし、動詞「光る」を修飾しているから副詞。副詞はイ。
(2)「急に」は、「急だ」と活用するから形容動詞で、動詞の「思いつく」を修飾しているので連用形。「実に」は、活用せず、用言である形容詞の「美しい」を修飾しているから副詞。副詞はイ。
(3)アの「おおかた」は、助詞の「は」がついて主語になっているから体言である名詞。イの「おおかた」は、「したのだろう」に続く、呼応の副詞。副詞はイ。
(4)アの「よく」は、動詞の「行く」を修飾する副詞。イの「よく」は、「天気もよい」だから、述語になる用言の形容詞「よい」の連用形。副詞はア。
(5)アの「また」は、動詞「来る」を修飾する副詞。イの「また」は、「今日でもいい」と「明日でもいい」をつなぐ接続詞。副詞はア。
N君の質問「他の品詞はある程度理解できるんですが、副詞がわかりません。副詞と言われたって、統一したイメージがわかないというか・・・。」
私「それが普通だと思うよ。副詞にふくまれる語は種々雑多だし、一応規則らしいものはあるけど例外が多いし、わかりにくいね。解決策としては、乱暴だけど、最初は例外をすぱっと切り捨てて、まずこうだって類型化するしかないのじゃないかって、私は思ってる。」
というわけで、副詞を分類してみました。
あえて例外を無視して類型化しました。そのほうが、最初は理解しやすいからです。
副詞の基本的な性質
副詞とは、自立語で、活用がなくて、用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する語です。
連用修飾語になるという観点から、主語になる名詞や、連体修飾語になる連体詞や、述語になる用言の動詞・形容詞・形容動詞と区別できます(例題の(3)、(4)、(5))。
また、動詞・形容詞・形容動詞の連用形は、副詞と同じように連用修飾語になりますが、副詞だけが活用しないので、動詞・形容詞・形容動詞の連用形と区別できます(例題の(1)、(2))。
状態の副詞・程度の副詞・呼応の副詞
従来から、副詞は、状態の副詞、程度の副詞、呼応の副詞の3つに分類されてきました。
(1)状態の副詞
状態(どういう様子か、どんな状況か)を表し、用言のうち、おもに動詞を修飾します。
・しっかり(+学ぶ)、はっきり(+話す)、すっかり(+終わる)、そっと(+歩く)・・・様子を表す
・しばらく(+休む)、さっそく(+とりかかる)、いきなり(+殴る)・・・時間的な状況を表す
・ときどき(+止まる)、たまに(+遅れる)、いつも(+怒る)・・・頻度(回数)を表す
(2)程度の副詞
程度(どの程度か、どれくらいか)を表し、用言のうち、おもに形容詞・形容動詞を修飾します。
・たいへん(+おもしろい)、ちょっと(+悲しい)、かなり(+おかしい)・・・形容詞を修飾
・とても(+愉快だ)、ごく(+わずかだ)、ずいぶん(+大柄だ)・・・形容動詞を修飾
(3)呼応の副詞(陳述の副詞・叙述の副詞)
もっともわかりやすい副詞です。ただし、テキストによって3種の呼び方(呼応・陳述・叙述)があることを知っておかないといけません。
「呼応」とは、「呼ぶ」と「応(こた)える」、つまり、ある副詞があると(こちらが「呼」)、必ず後に決まった語が出現する(こちらが「応」)という意味です。
話し手の気持ちがこめられている(述べられている=陳述・叙述)ので、陳述の副詞、叙述の副詞ともいわれます。
呼応の副詞は、後にくる語とセットになっているわけですが、前の語だけが副詞であって、後ろに出てくる語は副詞ではありません。
例:「全然知らない」というとき、「全然」が呼応の副詞、「知らない」は副詞ではない(この場合は、動詞+助動詞)。
・決して(+〜ない)
・たぶん(+〜だろう)
・もし(+〜なら)
・なぜ(+〜のか)
・ぜひ(+〜してほしい)
・まるで(+〜ような)
擬態語・擬音語
特殊な副詞として、擬態語と擬音語があります。
わかりやすいのは擬音語です。「音」に「擬える(なぞらえる)」語、つまり、音を表している語だから、擬音語といいます。
「戸をドンドンたたく」の「ドンドン」、「キャアキャアさわぐ」の「キャアキャア」などが、擬音語です。
擬態語とは、感覚を音以外の表現で表す語です。
「にこにこ微笑む」の「にこにこ」、「草がぼうぼう生えている」の「ぼうぼう」、「星がきらきら輝く」の「きらきら」などが、擬態語です。
擬態語・擬音語は、ものの状態、様子を表しているので、(1)の状態の副詞にふくまれます。
例外的な副詞の用法
副詞は連用修飾語になる、動詞(動作)の様子を表す状態の副詞と、形容詞・形容動詞の程度を表す程度の副詞と、必ず決まった語をともなう呼応の副詞の3種類がある、と最初は例外を無視して副詞を理解したほうがわかりやすいし、ほとんどの問題はそれで解けます。
しかし、副詞には例外も多いので、最後に例外的な副詞の用法についてまとめておきます。
名詞を修飾する(連体修飾語になる)副詞
「やや上」の「やや」は、名詞の「上」を修飾する副詞です。
「かなり昔」の「かなり」は、名詞の「昔」を修飾する副詞です。
「突然の申し出」の「突然」は、助詞の「の」がついて名詞の「申し出」を修飾している副詞です。
述語になる副詞
副詞は、「どうも、しばらくです。」の「しばらく」のように、助動詞の「だ」や「です」がついて述語になることがあります。
副詞を修飾する副詞
「もっとゆっくり」の「もっと」は、副詞の「ゆっくり」を修飾している副詞です。
動詞を修飾する程度の副詞
程度の副詞は形容詞・形容動詞を修飾するのが原則ですが、「少し食べる」の「少し」は、動詞の「食べる」を修飾する程度の副詞です。
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Japanese 連体詞の見つけ方
- 2010.07.28 Wednesday
- 国語
- 08:26
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- by アリ
これも、今日の授業中の質問から。
例題:
次の傍線の語句の品詞名を答えなさい。
(1)
体の大きい動物。
体の大きな動物。
(2)
このやり方が一番よい。
こうするのが一番よい。
(3)
ここにはいろんな動物がいる。
ここにはさまざまな動物がいる。
(4)
その本は図書館にありますか。
それは図書館にある本ですか。
(4)
空におかしな形の雲が浮かんでいる。
空に変な形の雲が浮かんでいる。
(解答)
(1)「大きい」は、「い」で終わり、他の形にも活用するから形容詞。「大きな」は、名詞「動物」を修飾し、活用しないから連体詞。
(2)「この」は、名詞「やり方」を修飾する連体詞。「こう」は、動詞「する」を修飾する副詞。
(3)「その」は、名詞「本」を修飾する連体詞。「それ」は、助詞「は」がついて主語になっているから体言の代名詞。
(4)「おかしな」は、名詞「形」を修飾し、活用しないから連体詞。「変な」は、「変だ」と活用するから形容動詞。
N君の質問「先生のようにすらすら区別できません。連体詞を簡単に見つけるコツのようなものはないのですか?」
私「勉強をしなくても、これさえ知っていたら簡単にわかるというコツはないと思うよ。勉強を進めているうちに習得できるコツはあるんだけどな。」
ということで、連体詞について次のような説明を加えました。
文中のはたらきから連体詞を見つける
連体詞とは、「連」「体」詞、つまり、「体言(名詞・代名詞)」に「連続(続く)」する言葉です。
連体詞のあとには必ず体言である名詞(+代名詞)が続き、名詞を修飾する連体修飾語としてはたらきます。
(2)
このやり方が一番よい。
こうするのが一番よい。
似た言葉でも、「この」は、「やり方」という名詞に続き、名詞を修飾していますが、「こう」は動詞の「する」を修飾する連用修飾語であり、副詞です。
このように、体言(名詞・代名詞)を修飾するか、用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾するかで、連体詞と副詞を区別できます。
また、連体詞は必ず体言とくっついて体言を修飾します。修飾する体言なしに独立には存在できません。
(4)
その本は図書館にありますか。
それは図書館にある本ですか。
「その」は、名詞の「本」とくっついて名詞の「本」を修飾しているので連体詞です。
「それ」は、他の言葉の存在を必要とせず、助詞「は」がついて、それだけで主語になっています。だから、体言である代名詞です。
この2つの例のように、連体修飾語として体言を修飾しているかどうかで、連体詞と、副詞や名詞・代名詞を区別できます。
活用するかどうかで連体詞を見つける
連体修飾語になる言葉は、連体詞だけではありません。
活用形の中に「連体形」という言葉があることからわかることですが、活用のある自立語(用言)の動詞、形容詞、形容動詞の連体形も連体修飾語になります。
同じように連体修飾語になっている言葉が、連体形なのか、それとも動詞・形容詞・形容動詞なのかを見分ける視点は、「活用するかどうか」です。
(1)
体の大きい動物。
体の大きな動物。
「大きい」は、「大きくなる」、「大きかったら」というようにいろいろ形が変化します。そこから、活用する自立語=用言だと判断し、「い」で終わっているので形容詞と断定します。
「大きな」に、他の形はありません。活用しない語なので連体詞です。
(3)
ここにはいろんな動物がいる。
ここにはさまざまな動物がいる。
「いろんな」は、他の形は考えられません。活用しないので、連体詞です。
ところが、「さまざまな」は、「さまざまだ」と変形した言葉をすぐに思いうかべられます。活用する語です。「だ」と、「な」の両方に活用する語なので形容動詞です。
この2つの例からわかるように、活用があるかないかで、活用のない連体詞と、活用する動詞・形容詞・形容動詞とを区別できます。
おもな連体詞を分類して覚える
上で述べた、(1)連体修飾語だということから連体詞を見つける、(2)活用がないことから連体詞を見つける、の2つの方法は、ある程度文法がわかった人でないと、「言うは易く行うは難し(いうはやすくおこなうはかたし)」、なかなか困難です。
誰でもできる解き方として、代表的なものをいくつか覚えておいて、それに似ているかどうかで判定する方法が実は一番手っ取り早い。
3つに分類して覚える方法
私が子どもたちにすすめている分類法です。
おもな連体詞は、「この」と、「大きな」と、「あらゆる」の3つだと覚えます。
そして、この3つのどれかに似ていたら、連体詞と判断します。
(1)「この」の仲間・・・この、その、あの、どの
(2)「大きな」の仲間・・・大きな、小さな
(3)「あらゆる」の仲間・・・あらゆる、いわゆる
この分類法の長所は、覚えることが少なくてすむことと、よく出る問題は上記のものが多いので実戦的であることです。
短所は、3つのどれにも含まれない連体詞があって、あまり学問的とはいえないことです。
語尾で分類する方法
多くの文法のテキストが採用している分類法です。
今、私の手元にある1冊は、連体詞を次の4種類に分類しています。
(1)「〜の」型・・・この、その、あの、どの、例の、ほんの
(2)「〜る」型・・・ある、あらゆる、いかなる、いわゆる、来る(きたる)
(3)「〜た(〜だ)」型・・・たいした、とんだ
(4)「〜な」型・・・大きな、小さな、いろんな、おかしな
別のテキストは、5種類に分類しています。
(1)「〜の」の形・・・この、その、あの、どの、ほんの
(2)「〜な」の形・・・大きな、小さな、おかしな、いろんな
(3)「〜た、〜だ」の形・・・たいした、たった、とんだ、ばかげた
(4)「〜る」の形・・・ある、あらゆる、いわゆる、さる、きたる、いかなる、堂々たる
(5)「〜が」の形・・・わが
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Japanese 代名詞の見つけ方
- 2010.07.27 Tuesday
- 国語
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- by アリ
これも、今日の授業中の質問から。
例題:
次の名詞・代名詞の種類をあとのア〜オから選び、記号で答えなさい。
(1)日本
(2)教科書
(3)あなた
(4)十人
ア・代名詞 イ・固有名詞 ウ・数詞 エ・形式名詞 オ・普通名詞
(解答)
(1)「日本」は国名。地名・人名・国名は固有名詞。だから、イ。
(2)「教科書」はなんら特殊でなく、普通の名詞だからオ。
(3)「あなた」は人称代名詞なのでア。
(4)「十人」は「十」という数字を含んでいるので数詞。答えはウ。
形式名詞は、「こと」や「もの」などの、本来の意味をほとんど失って連体修飾語とともに用いられる名詞なので、(1)〜(4)の中にはない。
T君の質問「先生、なぜ「あなた」が代名詞なんですか?代名詞と名詞と、どこが違うんですか?」
私「確かに、名詞と代名詞の2つを体言といって、自立語で活用がなくて主語になる点では共通だから区別しにくいよね。テキストによっては代名詞を独立に扱わずに名詞の中に含めているものもあるよ。」
T君「僕も、そのほうが面倒じゃなくていいと思います。」
私「2つを別のものとして分ける場合も多いんで、代名詞とは何かくらいは知っておいたほうがいい。ところでT君、英語の代名詞にはどんなものがあるか、知ってるよね。」
T君「Iとか、youとか、heとか、sheとか。」
私「そう、それにthisやthatやitも代名詞だ。だから、英語の文法を参考にして、日本語の代名詞も、I、you、he、sheにあたる「私」、「あなた」、「彼」、「彼女」など(人称代名詞)と、this、that、itにあたる「これ」、「あれ」、「それ」の仲間(指示代名詞)だと、覚えたらいいんだよ。」
T君「日本語の文法を覚えるのに、英語の文法を参考にするなんておかしくないですか?」
私「もともと日本語には文法なんてなかったらしいよ。明治になって外国の学問を取り入れたときに文法というものがあることを知って、大急ぎで日本語の文法をつくったらしい。そうだとすると、日本語の文法を理解するのに外国語の文法を参考にするのは全然おかしくないし、理にかなってると、私は思うな。」
ということで、次のような説明をつけ加えました。
英語文法と日本語文法の違い
英語だと、Iは「私」と訳しては不正確です。「私は」と訳さないといけません。英語には助詞がないので、文の構造上、そうなります。
myも、英語では「私の」と訳す代名詞ですが、日本語の「私の」は、「私」という代名詞+「の」という助詞です。
また、英語文法には、形容動詞と連体詞はありません。
代名詞の分類
日本語の代名詞は、前述のように、人称代名詞と指示代名詞に分かれます。
人称代名詞は、自称(英語の1人称にあたる)の「私」、「ぼく」など、対称(英語の2人称にあたる)の「君」、「あなた」など、他称(英語の3人称にあたる)の「彼」、「彼女」、「だれ」などに分かれます。
指示代名詞は、事物・場所・方向の順に、近称の「これ」、「ここ」、「こっち」など、中称の「それ」、「そこ」、「そっち」など、遠称の「あれ」、「あそこ」、「あっち」など、不定称の「どれ」、「どこ」、「どっち」などに分類されます。
代名詞には、上に例としてあげたものとかけ離れた、まったく異質のものは存在しません。
上の太字のものをしっかりと覚え、あとはそれに近いものを代名詞と判断すればよいだけです。
こそあど言葉と代名詞
小学生のときに、「これ」、「その」、「あっち」、「どれ」などの指示語(ものを指し示す言葉)のことを、その頭文字をとって「こそあど言葉」と習いました。
中学校以降の国語文法では、こそあど言葉のうち、一部は代名詞に、一部は連体詞に、一部は副詞に、一部は形容動詞に分類されます。
こそあど言葉のうち、代名詞に分類されるもの・・・「これ」、「そこ」、「あちら」、「どっち」などの、「が」や「は」をつけたら主語になるものは、体言であり、代名詞です。
こそあど言葉のうち、連体詞に分類されるもの・・・「この」、「あの」、「その」、「どの」と、「こんな」、「あんな」、「そんな」、「どんな」は、そのあとに名詞をともなって使われるので、連体修飾語になる連体詞です。
こそあど言葉のうち、副詞に分類されるもの・・・「こう」、「そう」、「ああ」、「どう」は、「こう書く」、「そう読む」とそのあとに用言をともなうので、連用修飾語になる副詞です。
こそあど言葉のうち、形容動詞に分類されるもの・・・「こんな」、「そんな」、「あんな」、「どんな」は、「こんなだ」、「そんなに」という使い方をされるときに限って、形容動詞です。ただし、「こんなな」、「そんなな」の形がない、特殊な形容動詞です。
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Japanese 動詞の音便(おんびん) イ音便・撥音便(はつおんびん)・促音便(そくおんびん)
- 2010.07.26 Monday
- 国語
- 00:48
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- by アリ
これも、今日の授業中の質問から。
例題:
次の傍線部の動詞の活用の種類と活用形を答えなさい。
(1)そのまま前に進んでください。
(解答)
終止形は「進む」。
「進ま(ない)・進も(う)・進み(ます)・進ん(だ)・進む・進む(とき)・進め(ば)・進め」と、語尾が「ま・み・む・め・も」の五段に活用するから五段活用です。
「進ん」は、本来「進み」+助詞「て」であったものが音便化して「進ん」+「で(濁音化)」になったもので、連用形。
五段活用の連用形が答え。
S君の質問「先生、音便化するのは連用形だけですか?」
私「すごい高等な質問だなぁ。レベルが高い。偏差値68以上の質問だ。そう、動詞で音便化するのは連用形だけ。」
M君の質問「あのう、音便って何ですか?」
私「レベルの低い質問でほっとするよ。M君、ええとこあるやん。よし、ここらでみんなのために動詞の音便について説明しておくか。」
ということで、動詞の音便についてまとめました。
音便(おんびん)
発音しやすいように(発音に「便」利なように、発音上の「便」宜(べんぎ)から)、「音」が変わるから「音便(おんびん)」といわれます。
現代語では動詞の音便はイ音便、撥音便、促音便の3種ですが、古文・古典ではウ音便を加えて4種になります。
イ音便・撥音便(はつおんびん)・促音便(そくおんびん)
サ行以外の五段活用の動詞は、接続助詞の「て」・「たり」と、過去を表す助動詞「た」に続くとき、連用形が普通の形とは違った形になります。
例えば、動詞「書く」は、連用形は「書き(+ます)」が普通ですが、「て」や「た」に続くときの連用形は「書い(+て)」、「書い(+た)」と、『き』から『い』に変わります。『い』に変わるので、イ音便といいます。
動詞「読む」だと、連用形は「読み(+ます)」が普通ですが、「て」や「た」に続くときの連用形は「読ん(+で(「て」の濁音化したもの))」、「読ん(+だ(「た」の濁音化したもの))」と、『み』から『ん』に変わります。『ん』に変わる音便を撥音便といいます。
動詞「言う」だと、連用形は「言い(+ます)」が普通ですが、「て」や「た」に続くときの連用形は「言っ(+て)」、「言っ(+た)」と、『い』から『っ』に変わります。『っ』に変わる音便を促音便といいます。
撥音便・促音便
『ん』に変わる音便が撥音便と呼ばれるのは、『ん』のことを撥音というからです(『ん』を書くとき、最後を「撥(は)ねる」ので撥音というのだそうです)。
『っ』に変わる音便が促音便と呼ばれるのは、『っ』のことを促音というからです(『っ』は単独では使われず、次に別の音が続きますが、次の音が発音しやすいように「促す」ので促音というのだそうです)。
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Japanese 活用形の連体形はどんな語に続くか
- 2010.07.25 Sunday
- 国語
- 17:22
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- by アリ
これも、今日の授業中の質問から。
例題:
次の傍線の語句の品詞名と活用形を答えなさい。
(1)
本当に美しい夕日だった。
(2)
とても簡単な問題だ。
(解答)
(1)「本当に」は形容動詞「本当だ」の連用形。
(2)「簡単な」は形容動詞「簡単だ」の連体形。
M君の質問「先生は以前、形容動詞の見つけ方として、『だ』と『な』の両方がつけば形容動詞だと言ってましたよね?」
私「そうだよ。「大きな」は「大きだ」とはならないから連体詞、だけど、「見事な」だと、「見事だ」と活用するから形容動詞。形容動詞は「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら」と活用するから、終止形の『だ』と連体形の『な』の両方がついたら形容動詞である証拠だ。」
M君「でも、問題の「本当に」ですが、「本当だ」となるから形容動詞だと思って答えを書いて一応正解だったんですが、「本当な」って言い方ありますか?」
私「え?「本当な」?そういえば、「本当な」って・・・、ないよなあ・・・(と、ちょっとあせる)。」
M君「・・・・(この人、嘘を教えていたのかという疑いの目)。」
私「ううんと・・・(汗)。あのね、「本当な」っていう形、ないって言ったけど、本当はあるんだよ。『彼の話は本当なので、皆が信じた』っていう言い方、おかしくないだろう?このときの「本当な」は、形容動詞「本当だ」の連体形なんだ。これをわかってもらうには、『連体形』についてちょっと知っておいてもらう必要があるなあ。」
ということで、次のような説明を加えました。
活用形のうちの連体形ですが、連体形とは、「連」「体」形、つまり、「体言」に「連続」する形です。
すぐ後に体言(名詞・代名詞)が続いて、その体言にかかる、体言を修飾する形なので連体形といいます。
だから、連体形かどうかを見分けるときや連体形であることを確認するとき、体言にあたる代表的な語である『とき』や『こと』をつけてみて、『とき』や『こと』がつけば、その形は連体形だと言えるわけです。
ところが、連体形のあとにくるのは、実は、体言だけではありません。
助動詞の「ようだ」、格助詞の「の」、接続助詞の「ので」や「のに」に続くときも、活用形は連体形なのです。
つまり、正確に言うと、連体形とは、(1)原則として体言に続く形であり、それがほとんどですが、まれに、(2)助動詞の「ようだ」に続くときと、(3)助詞の「の」、「ので」、「のに」に続くとき(あと、副助詞の「ぐらい」、「ばかり」、「だけ」に続くとき)も、活用形としては連体形です。
(なぜ、「ようだ」や、「の」に続くときも連体形なのかというと、おそらく、「ようだ」の場合は、かつては名詞であった「よう」に、「だ」がついてできたのが助動詞の「ようだ」だからでしょうし、「の」の場合は、「こと(=名詞)」に言い換えられる助詞の「の」に続くからでしょう。)
まとめると、
(1)体言に続く活用形、体言を修飾する活用形が連体形である。
(2)助動詞の「ようだ」に続くときは、体言を修飾しているわけではないが連体形である。
(3)助詞の「の」、「ので」、「のに」、「ぐらい」、「ばかり」、「だけ」に続くときも、体言には続かないが連体形である。
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Japanese 名詞の見つけ方
- 2010.07.24 Saturday
- 国語
- 17:21
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- by アリ
今日の授業中の質問から。
例題:
次の傍線の語句の品詞名を答えなさい。
(1)
親しい友人との別れ。
親しい友人と別れる。
(2)
彼から不思議な話を聞いた。
彼の話は不思議がいっぱいだ。
(3)
今年の夏はとても暑い。
今年の夏は激しい暑さだ。
(解答)
(1)「別れ」は名詞。「分かれる」は動詞。
(2)「不思議な」は形容動詞「不思議だ」の連体形。「不思議」は名詞。
(3)「暑い」は形容詞。「暑さ」は名詞。
M君の質問「『別れ』、『不思議』、『暑さ』が名詞であることは、なんとなくわかるんですが、自信をもって答えられません。なぜ、名詞だとはっきりわかるんですか。」
私「名詞と代名詞をまとめて何て言うんだったっけ?」
M君「体言です。」
私「じゃあ、体言の意味って何?」
M君「・・・・。」
私「体言とは、活用がなくて主語になるもの、じゃあなかった?」
M君「そうです。」
私「名詞=体言。そして、体言=活用がなくて主語になるもの。つまり、名詞=体言=主語になるもの。で、主語って、どんな助詞がついたっけ?」
M君「〜が、とか、〜は、とか。」
私「そう。だから、『が』か『は』をつけてみて、主語になったら絶対に名詞だよ。」
M君「『別れ』は悲しい、『不思議』がいっぱいだ、『暑さ』がきびしい。あ、成り立つ。そうか、主語になるから名詞だと断言できるのか。わかりました。」
まとめると、
1、名詞は体言である。
2、体言とは主語になるもののことである。
3、だから、名詞は主語になる。
4、よって、「が」「は」をつけてみて主語になれば名詞である。
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science 全身をうつす鏡
- 2010.07.20 Tuesday
- 理科
- 09:20
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- by アリ
光の単元で、定期テストでも入試でもよく出る問題に、「全身を鏡にうつすには、どれだけの大きさの鏡が必要か。」があります。
鏡の原理から考える
実際に起こっているのは、光源から出て、実物の表面で反射した光が鏡に進み、鏡面で反射して目に届き、脳で「鏡にうつっている」と判断している過程です。
ところが、鏡とは、この稿で述べたように、「鏡を対称の軸にして、実物と対称の位置に像があるように目を錯覚させるもの」です。
目には、実物とは鏡を基準にして真反対の位置に像が実在するように見えます。
脳が、今までの経験と学習から、実物は像の位置ではなくて目と同じ側にあると修正して判断しています。
ここまでが予備知識その1です。
相似(そうじ)を使う
数学で学ぶことに、相似をいわれるものがあります。
形がまったく同じ2つの図形の関係を相似といいます。
相似のとき、対応する辺の比はすべて等しくなります。
左の図で、辺AB:辺DE=辺BC:辺EF=辺AC:辺DFです。
例えば、辺AB:辺DEの長さの比が1:2であれば、辺BC:辺EF=1:2、辺AC:辺DF=1:2です。
これが予備知識その2です。
全身をうつすにはどれだけの大きさの鏡が必要か
上記2つの予備知識を知っていたら、この問題は簡単に解けます。
まず、鏡は、「鏡を対称の軸にして、実物と対称の位置に像があるように目を錯覚させるもの」です。
鏡を見ている実際の人物の目には、鏡の反対側の、自分と対称の位置に自分の像があるように見えます。
そして、左の図を見たらわかるように、図の真ん中に書いてある大きさの鏡があれば、人物は、自分の頭の先から足の先までの全身を見ることができます。
次に、相似の比を使います。
鏡は人物と像の中間の位置にあります。
だから、人物の目から鏡までの距離:人物の目から像の頭の先までの距離=1:2です。
図の、青色の三角形と赤色の三角形は相似(形の等しい三角形)です。
だから、目から鏡:目から像の頭=1:2なら、鏡の長さ:像の全身の長さも同じ1:2です。
つまり、像の全身の半分の大きさの鏡があれば、目は全身を見ることができるということです。
そして、像の全身の大きさは実物の大きさと等しいので、結局、自分の身長の半分の大きさの鏡があれば自分の全身を見ることができるということになります。
以上の理屈は、自分と鏡との距離には関係なく、どんなときにも成り立ちます。
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science 鏡の原理
- 2010.07.19 Monday
- 理科
- 16:28
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- by アリ
窓から外を見ているとき
外にある物体を窓越しに見ているときは、図のように、物体に当たって反射した光が目に届き、私たちは物体を見ることができています。
このとき、光は、通過するのに最も時間の短い経路を通ります。
普通、最も時間がかからないのは最も短い道筋をたどるときですから、光は最短距離を通って目に届きます。
そして、2点間の最短距離は、通常は2点間をまっすぐ結ぶ直線になります。
光は、最短時間になる道筋をたどる→最短距離をたどる→直線上を進む(直進する)、ということになります。
また、私たちは、それまでの「見る」という経験や学習を通して、窓というものは光を素通しするものであり実際の物体は窓の向こうにあることや、窓の向こうにある実物までの距離がどれくらいであるかを脳内でわかっています。
鏡でものを見ているとき
窓から外を眺めた経験はあるが、鏡というものの存在を知らない人が鏡を見たらどういうことが起こるでしょうか。
窓は知っているが鏡を知らない人が鏡を見たとき、その人は、鏡の前面、自分と同じ側に実物があることは想像できません。
窓から外を見たときと同じように、実際にはそこに存在しない像が、あたかもそこにあるように思ってしまうはずです。
そして、その像から、光が直進して目に届いていると「錯覚」してしまうはずです。
しかし、私たちは経験を通して鏡というものがあること、鏡には鏡の前にある実物が映っているに過ぎないことを知っています。
「目に」見えているのは、鏡の向こうにある像です。
経験を積み、学習を経た「脳が」、実物は像の側ではなくて鏡を基準にすると自分と同じ側にあり、実物の位置は、経験を通して「目測」からわかっている、鏡から像までと同じ距離のところにあると、「判断」しているのです。
反射の法則
光の単元がわかりにくいのは、以上述べたような、「実際に起こっていること」をすっとばして、いきなり「反射の法則」から入るからです。
鏡面に垂直な直線と入射光のつくる角を入射角、鏡面に垂直な直線と反射光のつくる角を反射角といい、つねに入射角=反射角が成り立つことを反射の法則といいます。
しかし、光は、別に「反射の法則」に従いたくて反射しているわけではありません。
実物から出て、鏡を経て、最短距離を通って目にとび込んでくる光を調べてみたら、結果的に入射角=反射角が成り立っていたというだけのことです。
鏡のどこに実物が映っているかを問う問題
左の図で、実物から出た光がどういう経路を通って目に届くか(鏡のどこに実物が映っているか)を尋ねる問題がよく出ます。
素直な人は、習った反射の法則を使ってこの問題を解こうとします。
しかし、それは無理です。
光の経路がわかった後に、それを記述するのが反射の法則ですから、反射の法則を使って鏡に映る場所を見つけることはできません。
この問題を解くときは、「目は、鏡を使うと実物が鏡を基準に対称の位置にあると錯覚させられてしまうこと」、言い換えると、「脳は、鏡とは、実物が鏡を基準に対称の位置にあるように目に錯覚させてしまう道具だということを知っていること」から、出発します。
(1)まず、実物を鏡を基準に反対側(対称の位置)に移した点を見つけて、その点を実物の像と確定します。
(2)次に、その像から出た光が直進して目に届くように作図します。
その直線と、鏡面との交点が、実物から出て目に届く光が反射する点(鏡面に実物が映って見える点)です。
(3)最後に、実物と(2)で求めた交点を結び、そして、(2)で求めた交点と目を結ぶと、それが、実物から出た光が鏡で反射して目に届くまでの道筋です。
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