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  • 2022.10.14 Friday
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math 平面図形への書き込み(大阪府公立・22年前期理数科)


大阪府公立高校入試、22年度前期理数科の問題を取り上げます。
大問1で7問か8問の小問、大問2が平面図形、大問3が空間図形というのが最近の傾向です。
この稿で取り上げるのは平面図形です。

今日のテーマは「解く前の書き込みで、解けるかどうかが決まる」です。



2:
図1、図2において、四角形ABCDはAB=26cm、AD=20cmの長方形であり、四角形EFGHは1辺の長さが13cmの正方形である。E、Fはそれぞれ辺AD、AB上にあって、G、Hは長方形ABCDの内部にある。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。
(1)図1において、IはGから辺ABににひいた垂線と辺ABとの交点でありJはGか22年2ら辺BCにひいた垂線と辺BCとの交点である。
[1]△EAF≡△FIGであることを証明しなさい。
[2]AF=4cmであるときの線分GJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。















22年2の2

[1]△EAF≡△FIGであることを証明しなさい。

(解法)
解く前に必要な事項をどれだけ上手に書き込むかで解けるかどうかが決まります。

大阪府公立高校の入試問題の特徴として、
(1)問題文で与えられた数値を図の必要なところに複数書き込んでおく
(2)直角三角形があるとき、直角以外の角に丸や×の印をつけておくと解き方が見えてくる
の、2つを知っておくと得点力が違ってきます。


(証明)
△EAFと△FIGにおいて、
四角形EFGHが正方形だからEF=FG・・・(1)
長方形の角だから∠EAF=90度
仮定より∠FIG=90度
よって、∠EAF=∠FIG・・・(2)
次に、∠IFG=180度−∠AFE−∠EFG
=180度−∠AFE−90度
=90度−∠AFE
また、∠AEF=180度−∠EAF−∠AFE
=180度−90度−∠AFE
=90度−∠AFE
よって∠IFG=∠AEF・・・(3)
(1)(2)(3)より、直角三角形で斜辺と1つの鋭角が等しいから
△EAF≡△FIG

直角三角形で、丸をつけた角と×をつけた角の和が90度になることをしばしば使います。
証明が書きやすいようにあらかじめ印をつけておくと簡単に気づくことができます。


[2]AF=4cmであるときの線分GJの長さを求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。
22年2の2
(解法)
あらかじめ知っておいたほうがよい予備知識として、大阪府公立高校入試数学の大問では、(1)[1][2]、(2)[1][2]という問題構成のとき、(1)と(2)の問題の間にはほとんど連続性や関連性はありません。
逆に(1)[1][2]の[1]と[2]はつながった問題です。
よく授業中冗談で言うのですが、[1]と[2]は連続もののテレビドラマですから、[1]を見ておかないと[2]を理解できません。

この問題もまさにそうで、[1]の合同の証明を使って、[2]を解いていきます。
具体的には、AF=4cmと問題文に書いてあるのでAFに4を書き込んだ後、[1]で合同を証明したことからIGにも4と書き込んでおきます。
それさえ準備しておいたら、三平方の定理を使ってFIの長さを求められることに気づきますから、解き方が見えてきます。

(求め方)
△EAF≡△FIGより、IG=AF=4
△FIGで∠FIG=90度、IG=4、FG=13より、三平方の定理を使って
22年2(1)











AF=4、FI=3√17より、
IB=26−4−3√17
=22−3√17

∠GIB=∠GBJ=∠GIB=90度だから長方形IBJGは長方形である
よって、IB=GJ

したがって、GJ=22−3√17


(2)図2は、AF=12cmであるときの状態を示している。
22年2(2)図2において、Kは辺EF上にあってE、Fと異なる点である。Lは辺GH上にあってG、Hと異なる点である。KとLとを結ぶ。Mは、Lから辺BCにひいた垂線と辺BCとの交点である。KL//BCであって、四角形FGLKの面積が65平方cmであるとき、線分LMの長さを求めなさい。


(解法)
AF=12を書き込むだけでなく、直角三角形で5:12:13ができているのでAE=5も書き入れておきます。
EF=FG=EH=13も使う可能性があるので記入、その図をながめて、どうやって解こうかと考察します。

FG=13の書き込みから、Gを通りBCに平行な線を書き込めばそこにも5:12:13ができること、Fを通り、BCに平行な線を書き、HGとの交点をNとして、その線で四角形FGLKの面積をわけて考えたら解けるのではないかということ等を思いつきます。

最後に、求めるLM=xとおいて、やっと解き始めることができます。

(解答)
△FGNは∠FGN=90度、∠FNG=∠EFN=∠AEFより△AFEと相似。

よって、FN:EF=FG:AFだから
FN:13=13:12
FN=169/12

四角形FGLK=△FGN+四角形KFNL
=(169/12)×5×(1/2)+(169/12)×(x−5−9)

この面積が65であるから方程式にして、
(169/12)×5×(1/2)+(169/12)×(x−14)=65

22年2(2)の2すぐに筆算をしないで、計算が楽になるように工夫しながら解いていかないと、時間ばかりかかり、計算ミスも増えてしまいます。















LM=419/26です。


(最後に)
平面図形の最後の問題は、毎年一番難儀な問題です。
あることに気づき、解くための補助線を書き込まないと、まず解けません。
解き方を思いつかなかったら後回しにして、さっさと次の空間図形の問題にとりかかるべきです。

もう1つ、理数科の問題では出題される計算問題は毎年たった1問です。そのかわりに、後の関数や図形の問題で計算力を試されます。
計算力とは、暗算力や筆算力ではありません。
すぐに筆算をするのが最も愚策、工夫して式を簡単にし、速く正確に解いていかないと得点が伸びません。




math 平面図形は相似と三平方にしぼる(大阪府公立・21年前期理数科)


21年度大阪府公立高校の前期入試理数科、3番の平面図形の問題です。

この稿のテーマは、「図形の問題は相似か三平方の定理にしぼって解く」です。


3、図1、図2において、四角形ABCDはAB=6cm、BC=2cmの長方形である。Eは、辺ABの中点である。Fは、辺DC上にあってDと異なる点であり、DF<AEである。四角形PQFR≡四角形AEFDである。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


(1)図1において、Qは直線DC上にあってFについてCと反対側にあり、Pは直線DCについてAと反対側にある。Sは、Pから直線BCにひいた垂線と直線BCとの交点である。線分EFの長さをxcmとし、そのときの線分CSの長さをycmとする。
3(1)

[1]次の文中(ア)、(イ)に入れるのに適している数をそれぞれ書きなさい。

xの変域は(ア)<x<(イ)である。

[2]yをxの式で表しなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。













(解いてみる)
問題文を読んで、解く前に書き込みをしておいたのが下の図です。問題文に書いてあることだけでなく、書いてあることからわかることも書き込みをしておきます。
3(1)の1

[1]
DF<AEという条件にあてはまるようにxを考えます。

xが一番小さくなるのは、点Fが点Eのほぼ右にきたときです。それより下だとDF<AEの条件に反します。
このとき、xは2に近づきます。

xが一番大きくなるのは、点Fが点Dに重なる直前です。
このときのxは線分DEの長さから求められます。
△AEDが直角三角形なので、三平方の定理よりDE=√13。

以上より、2<x<√13。

(ア)は2、(イ)が√13です。

[2]
3(1)の2
もともとのxとyはずいぶん離れた場所にあって両者の関連性を見い出さないので、すぐに
式をつくることはできません。x、yと等しい場所を他に見つける必要があります。

問題文に「四角形PQFR≡四角形AEFD」とあるので、QF=xを書き込んでおきます。

図形の問題を解くのに使える道具は『相似』と『三平方』です。
使える道具が限られているので、
私なら、「相似か三平方を使うにはどうしたらよいか」の観点から考えます。
さらに、相似にしろ三平方の定理にしろ、使える図形は三角形しかありません。

この問題でも、おそらくQF=xを使うであろう、だからQFを含む三角形で考えてみよう、このような発想で解いていきます。

そう考えて、Fを通りRPに平行な線分を書き込み、長さの2を書き入れます。
そうすると、Pを通り下のCSに平行な直線をかいてもう一つ三角形を作図し、yと記入したら解けるのではないかと思いつくことができます。

2つの三角形は、∠FQPが共通で、ともに90度の角をもつので、2組の角がそれぞれ等しい相似です。

ここまできたらもう解けたも同然、相似な図形の対応する辺の比は等しいので、QF:QP=2:y
x:3=2:y
xy=6
y=6/x


(別の解き方)
3(1)の3
府教育委員会の模範解答は違う解き方をしています。

私と同じ書き込みに加えて、さらにFとPを結ぶ線を書き込んで、△QFPの面積を2通りの方法で表して等式(方程式)を立てています。
底辺をQFと見ると、面積はx×y×1/2、底辺をQPと見ると面積は3×2×1/2、
xy=6
y=x/6
と解いています。

解答を見ると、「ああ、そうか」と思えますし、よく出る「面積を2通りに表して方程式を立てる」という解法ではありますが、私が受験生だったとして、FPを結ぶ線を思いつくかどうか、自信がありません。


(解いた後の感想)
[1]
DF<AEという条件から、xの変域を導く問題です。三平方の定理を使いますが、数学というより国語やクイズに近い感じがします。

[2]私は運良く相似な三角形の組をすぐに見つけ出せたので難しい印象を持ちませんでしたが、同じ私が別の機会に解くことがあるとして、同じ解法を思いつけるかどうか、自信がありません。
やさしいのか、難しいのか、よくわからない問題です。


(2)図2は、図1中の四角形PQFRをFを中心とし回転させた状態を示している。
3(2)図 2において、Qは直線EFについてCと反対側にある。EとQとを結んでできる△FQEの内角∠QEFの大きさをaとし、0<a<90とする。CとRを結ん でできる△FCRの内角∠RFCの大きさをaを用いて表しなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。













(解いてみる)
しばらく考えてみましたが、解き方を思いつきませんでした。私が受験生なら、いったんあきらめてさっさと次の問題に向かいます(後で、あらためて戻ってくると、別の観点から問題を眺めることができてあっさり解けることがあります)。

3(2)の2
四角形PQFR≡四角形AEFDなので、FQ=FEを使いそうだということはわかります。
△FQEが二等辺三角形なので、∠FEQも∠FQEもaです。

四角形PQFR≡四角形AEFDなので、∠DFEと∠RFQも等しい。
だから、∠QFE=∠DFE−∠QFD
∠DFR=∠RFQ−∠QFDより
∠QFE=∠DFR(図の太い赤線の角どうし)

これを使うことを思いつきませんでした。

∠QFE=180度−2aなので∠DFR=180度−2a

∠DFC=180度だから、∠RFC=180−(180−2a)
よって∠RFC=2a

(解いた後の感想)
私が受験生なら、この問題は運が悪いと時間内に解けなかったかもしれません。移動した図形の、等しくなる辺や角度を利用する問題は、どこに目をつけて解いたらよいのかを見つけにくいことが多く、気づくと簡単、気がつかないと時間切れになってしまいます。




math 空間図形 四角錐(大阪府公立・21年前期理数科)


大阪府公立高校入試問題、21年度の前期理数科4番、空間図形の問題です。

大阪府公立でしばしば出題される、三平方の定理を使って3辺の長さがわかっている三角形の高さを求める問題が(2)で顔を出しています。

また(3)は、相似を使って垂直であることを証明する問題です。

4、左図において、立体A−BCDEは正四角錐である。底面BCDEは1辺の長さが6cmの正方形であり、AB=12cmである。Fは、底面4(1)BCDEの対角線の交点である。このとき、直線AFは底面BCDEと垂直である。Gは、Bから辺ACにひいた垂線と辺ACとの交点である。Hは、辺AD上にあってDH=2CGとなる点である。BとHを結ぶ。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。


(1)正四角錐A−BCDEの体積を求めなさい。

(2)線分CGの長さを求めなさい。

(3)BH⊥ADであることを証明しなさい。


(解いてみる)
(1)
4(1)の2学校の定期テストの問題であれば難問ですが、入試問題としては典型的な標準問題。確実に点を稼がないといけない問題です。

BC=6、CD=6より、1:1:√2を用いてBD=6√2。だからBF=3√2。
三平方の定理を使って、

4(1)の3







四角錐の体積=底面積×高さ×1/3より
6×6×3√14×1/3=36√14


(2)求めるCGをxとして方程式を作ることを考えます。空間図形の問題を楽にとくコツは、必要な平面だけを取り出してそこで考えることです。

4(2)三平方の定理を使う問題の中で、解法を知っておかないといけない問題、「辺BGを2通りの方法で表して等式(方程式)をつくる」の問題です。

4(2)の2













(3)DH=2CGよりDH=3、よってAH=9を書き込んでおきます。
「空間図形の問題を楽にとくコツは、必要な平面だけを取り出してそこで考える」、必要な平面をかいて、それを見て、どう解くかを考えます。

4(3)
垂直の証明に「定番」はありません。状況に応じて、「相似」でいくか、「三平方の定理」でいくか、何かそれ以外の方法があるかを考えます。

平面ABDの図を眺めると、△ABFと△BDHの相似が言えたら∠AFB=∠BHD=90度を証明できますから、その方針でいこうと試してみます。

△ABFと△BDHにおいて
AB:BD=12:6√2=2:√2
BF:DH=3√2:3=√2:1
一見違う比のように見えますが2:√2を√2でわったら√2:1で、実は同じ比です。そこで、AB:BD=2:√2も√2:1に書き換えておきます。

また、AB=ADだから∠ABF=∠BDH

よって、2組の辺の比が等しくその間の角が等しいので
△ABF∽△BDH

相似な図形の対応する角は等しいので
角AFB=角BHD=90度

以上より、BH⊥AD


(解いた後の感想)
(1)は入試問題としては楽なほうに入ります。

(2)も頻出問題であり、CGを求めさせることでさらに解きやすくなっていますが、「あ、あの問題だ」と思いつかないと難問になってしまいます。

(3)は、単純な合同や相似の証明と違うので、受験生によってはとまどう人がいるかもしれません。
合同、相似以外の証明も練習しておく必要があります。
「証明に実は決まった書き方はない、理由を述べては書く癖をつけておけば満点の答案が書ける」と、度胸をすえて取り組んでおくことです。



math 関数と証明(大阪府公立・22年前期理数科)


今年(22年度)の大阪府公立高校入試、前期理数科の関数の問題です。大問1の(7)として出題されました。

1(7):図において、mは関数y=x2乗のグラフを表す。A、B、C、D、Eはm22年1(7)上の点である。Aのx座標は正であり、Bのx座標はAのx座標より1大きい。Cのx座標は、Aのx座標とBのx座標との和に等しい。D、Eのx座標はともに負であり、Dのy座標はAのy座標と等しく、Eのy座標はBのy座標と等しい。AとB、BとE、EとD、DとAとをそれぞれ結んでできる四角形ABEDは台形である。台形ABEDの面積をSとする。Sの値とCのy座標とが等しいことを証明しなさい。













(解く前の準備)
関数の問題は、座標を書き込み、座標を使って解くようにつくられています。
この問題でも、与えられた条件からすべての座標を書き込んで、その座標に書き込んだ数値を用いて式をつくることができたら、必ず解けます。

さらに、この問題のように各点の座標として具体的な数値が与えられていないときは、通常は、基準になる点のx座標をとして各点の座標を表すのが原則です。

問題文が点Aを基準にして、Aから始まっていますから、点Aのx座標をtとします。

次にすることは、点Aを放物線mが通っているので、mの式y=x2乗にx=tを代入して、y座標をt2乗と見つけ、点Aに記入することです。

他の点も、問題の条件にしたがって同じように座標を記入していきます。

22年1(7)の2記入した後の図は左のようになります。

点Bのx座標は点Aのx座標より1大きいのでt+1、点Cのx座標は点A、Bのx座標の和だからt+t+1=2t+1で、それぞれのy座標はy=x2乗よりx座標の2乗です。

点D、点Eの座標も、同じように書き込んでおきます。









(証明)
それぞれの点の座標を書き込んだ図を見て、論理の飛躍がないように証明を書き進めます。

まず、点Aのx座標をtとしてそれぞれの座標がなぜそうなるのかの根拠を書きます。

次に、「Sの値とCのy座標とが等しいことを証明」するわけですが、tを用いて、Sと、Cのy座標を、別々の式で表わすと証明できます。

Sは台形ABEDの面積なので、(上底+下底)×高さ×1/2の公式にあてはめて記述します。

上底が2×(t+1)、下底が2×t、高さが(t+1)2乗−t2乗なので、
S=(2(t+1)+2t)×((t+1)2乗−t2乗)×1/2
=(4t+2)(t2乗+2t+1−t2乗)×1/2
=(4t+2)(2t+1)×1/2
=2(2t+1)(2t+1)×1/2
=(2+1)2乗

22年1(7)の3













Cのy座標は、x座標が(2t+1)で、y=x2乗のグラフ上にあるから、代入して(2t+1)2乗

以上より、Sの値と点Cのy座標とは等しい。


このように、「等しい」ことの証明は、それぞれを別々に式で表わしたあと、最後に「式が等しくなったので、だから等しい」という書き方をするのがもっとも簡単です。



math 関数と整数の個数(大阪府公立・21年前期理数科)


21年度大阪府公立高校入試、前期理数科の関数の問題をとりあげます。

最近の傾向として、1番が小問7〜8題(その中で関数が出題される)、2番が平面図形、3番が空間図形という構成が多いのですが、この年は2番で関数が大問として出題されました。


2、次の問いに答えなさい。
2(1)の1(1)Aは放物線m上の点であり、そのx座標は3である。B、Cはy軸上の点であり、Bのy座標は1であって、Cのy座標はBのy座標より大きい。CとBとの距離は、AとBとの距離と等しい。このとき、2点A、Cを通る直線の式を求めなさい。ただし、x軸の1目盛りの長さとy軸の1目盛りの長さとは等しいものとする。





(解いてみる)
問題文を読んだ段階でグラフに図のような書き込みをします。
2(1)の2
点Aのx座標が3であることから、放物線y=1/4x2乗の式に代入して、y=9/4を見つけるのが先決です。

その後、直線ACの式を求めるためにはCの座標を求めなければならず、Cの座標を求めるためにはBC=ABよりABの長さを求めなければならない、という手順になります。





線分ABの長さを求めます。点AとBのx座標の違いは3、y座標の違いは9/4−1=5/4。
よって、三平方の定理を使って、
2(1)の3
















BC=ABより、点Cのy座標は1+13/4=17/4だから、点C(0,17/4)です。

2点A、Cを通る直線の傾きは右に3進んで下に(17/4−9/4)=2下がるので−2/3。

以上より、直線ACの式はy=−2/3x+17/4です。


(解いた後の感想)
「x座標がわかっているとき、y座標を求める問題」、「座標上の2点の距離を求める問題」と、「2点がわかっているとき2点を通る直線の式を求める問題」の3つを組み合わせた問題です。

計算はやや複雑ですが、理数科の受験生レベルなら簡単に解けたはずだと推測できます。



(2)Pはm上の点であり、そのx座標は正の整数である。Qはx軸上の点であり、そのx座標はPのx座標と等しい。PとQとを結ぶ。Pのx座標をtとし、そのときの線分PQ上にある点(P、Qをふくむ)のうち、y座標が整数である点の個数をSとする。

2(2)の1[1]次の文中の(ア)、(イ)に入れるのに適している数をそれぞれ書きなさい。

t=5のときSの値は(ア)であり、t=6のときのSの値は(イ)である。


[2]tの値が奇数であるとき、Sの値は奇数であることを証明しなさい。







(解いてみる)
解き始める前の書き込みは図のようになります。

2(2)の2














[1]
2(2)の3




整数である点は1〜6の6個と、「整数」で点Qを含むから0の計7個。
よって、(ア)は7。

2(2)の4




整数である点は、点Pを含むから1〜9の9個と、0の計10個。
よって(イ)は10。


[2]tの値が奇数であるとき、Sの値は奇数であることを証明しなさい。

[2]tが奇数とあるから、t=2n+1と置いてみる。

点Pのy座標に代入して、
2(2)の5












n(n+1)は連続した2つの整数の積です。

nが偶数のときn+1は奇数、nが奇数であればn+1は偶数であり、いずれにしてもn(n+1)は偶数と奇数の積になります。

そして偶数と奇数の積は偶数です。

1/4は分数の部分ですから、整数の個数には関係しません。

整数の個数は、[1]で解いたことがヒントになりますが、n(n+1)に0を加えたn(n+1)+1個です。

以上より、n(n+1)が偶数なので、それより1多いSは奇数だと証明できます。



(解いた後の感想)
[1]格子点の問題と言えないこともありませんが、公立でよく出題される、答えは最初に求めた数より1多かったり1少なかったりすることを見つける問題だとも言えます。

[2]「式による説明」の問題は理数科では毎年のように出題されます。n(n+1)が偶数になることの証明も、理数科の問題でちょくちょく出てきます。

いずれにしても、理数科の過去問を練習していたら、「ああ、これか」と解ける問題ですが、人によっては難しいと感じるかもしれません。



math 素数(大阪府公立・19年・22年前期理数科)


やさしかったといわれる平成19年度の理数科数学で、私がすぐに解法を思いつかなくて後回しにした問題は次の問題でした。

1番(7):aを自然数、bを素数とするとき、a2乗−16=3bを満たすa、bの値の組をすべて求めなさい。求め方も書くこと。

(解法)
a2乗−16を(a+4)(a−4)にしてから考えるんだろうなとは思ったのですが、その後が最初浮かんできませんでした。

この問題をとばして他の問題を解き終えた後、もう一度この問題にもどったら、今度はわかりました(数学ではこういうことがよくあります、他の問題を解くうちに頭がほぐれてきて、もう一度解くときは別の観点からあっさり解けることが)。

(a+4)(a−4)=3bで、bが素数です。

単純に考えると、2つの数の積が3bなので一方が3、他方がbではないかと思いつきます。

a+4=3だと、a=−1になってしまってaが自然数という条件に反するので、a−4=3、よって、a=7。
このとき、a+4=7+4=11になり、11はもちろん素数ですからa+4=b(素数)という条件をクリアしています。

以上より、最初のa、bの組は(a、b)=(7、11)です。


問題文中に「すべて求めなさい」とあるので、まだ答えになる数があるはずです。

(a+4)(a−4)=3bで、どうしても一方が3、他方がbと思い込みやすいのですが、一方が1で他方が3bという可能性も思いつかないといけません(この、一方が1であることを思いつくことが、この種の問題のポイントです)。

aが自然数であり、a−4<a+4なので、1になる可能性があるのはa−4のみです。

a−4=1だと、a=5。
a+4のほうが3bだから、a+4=5+4=9。
9=3bとなって、b=3。
bが素数という条件にもあてはまります。

以上より、もう1つの組は(a、b)=(5、3)です。


この問題を知っていると、次にあげる、今年(平成22年度)の理数科の問題をなんとか解けたのではないでしょうか。
実はまったく同じ種類の問題です。


1番(6):次の条件を満たす自然数nの値をすべて求めなさい。
「n2乗−9nの値が二つの素数の積で表される。」


(解法)
最初の問題と同様に、n2乗−9n=n(n−9)と因数分解をしてから考えます。

n(n−9)が2つの素数の積になっているわけですが、ここで先に気づいておかないといけない重要なことが2つあります。

nが偶数だと、n−9は必ず奇数になります。反対に、n−9が偶数だとnは絶対に奇数です(このパターンは理数科の問題でよく出ます)。
さらに、偶数で素数は2しか存在しません。

上記2つのことに気づくかどうかがこの問題を解けるかどうかの分かれ目です。

nが自然数なので、n=2とするとn−9=−7となり、n−9が素数という条件に反します(負の数は素数ではないと考えられています)。

だから、n−9=2です。
そして、n−9=2のとき、n=11です。
最初の答えはn=11です。


ところが、「nの値をすべて求めなさい」とあるので、まだ答えがあるはずです。

ここで、最初の問題で出てきた、片方が1の可能性を思い浮かべます。

n−9=1のとき、n=10です。
そして、10=2×5で、2も5も素数です。
この場合も、問題の条件にあてはまります。

よって、もう1つの答えは、n=10です。





math 整数の個数(大阪府公立・19年・20年前期理数科)


平成19年度の大阪府公立高校入試前期試験、理数科の数学はいつもの年より格段にやさしく、数学ではほとんど差がつかなかったと言われています(その結果、内申で決まってしまったようです)。

やさしかった分、いつもの年より理数科の問題の傾向をつかみやすく、後々のために役にたつ問題が多い年でした。


1(3):m、nはm<nを満たす自然数であるとする。このとき、m以上であってn以下である自然数の個数をm、nを用いて表しなさい。


(解き方)
例えば、m=3、n=8のとき、m以上でn以下の自然数の個数は、3、4、5、6、7、8ですから、最後の8から、3より前の数、1、2をひいた8−2=6個です。

つまり、n−(m−1)個ということになります。

( )を開いて、n−m+1が正解です。


この問題を知っていると、同じ理数科の平成20年度の1番の(7)がその応用だということがわかります。

1(7):nを自然数とするとき、√aの値がnより大きくn+2より小さくなるような自然数aは何個ありますか。nを用いて表しなさい。

(解法)
n<√a<n+2だから各項を2乗して、
n2乗<a<(n+2)2乗
n2乗<a<n2乗+4n+4

aは、n2乗より1つ大きい数から、n2乗+4n+4より1小さい数までだから、n2乗+4n+3から、含まれないn2乗までをひけばよい。

aの個数は、n2乗+4n+3−n2乗=4n+3

整数の個数

lounge 「世に羽ばたいてもらう努力」 今日、出会った言葉から


塾の講師の仕事は他のどんな仕事と似ているんだろう?と考えることがたまにあります。

通ってくれるお客さんのエリアからすると、散髪屋さんに似ています。うちなどは、塾生のほぼ全員が徒歩か自転車で塾にきます。

1人の人間が自分の動ける範囲でお客さんの相手をしないといけないところは歯医者さんに似ています。

オリンピックを見ていると、コーチに似ているなと思うこともあります。戦うのは選手で、コーチはやきもきしながら見ているだけです。

今日の日経新聞を読んでいると、アーティストのマネージャーにも似通った要素があるなと感じました。

『人間発見』という記事です。
サザンオールスターズや福山雅治さんが所属するプロダクション、アミューズの最高顧問、大里洋吉さんを取り上げています。


「アーティスト、タレントの成否にトレンドは関係ありません。(中略)。あとは本人たちの人柄です。仕事にいちずで、(仕事に)愛情を持てる人かどうか。この2つがそろえば、売るためのアイディアなんて後からいくらでも出てきます。」

「人のいいところを見つけ、励ましながら背中を押し、何としてでも世に羽ばたいてもらう努力をささいなことまで惜しまない。それがマネージャー魂だと、僕はそう思っています。」


日本経済新聞2010.2.24夕刊 『人間発見・感動だけが人をうつ(3)』より。



homeroom 「国母選手」問題と受験生


最初に断っておきますが、国母選手その人のことをとやかく言う気はまったくありません。
服装や態度はすべてその人の自由、好き嫌いはあっても他人が口出しすることではないというのが私の基本的な立場です。


2月18日、バンクーバーオリンピック、男子スノーボードで、服装問題で物議をかもした国母選手は決勝に進出するも最後の大技で着地に失敗、メダルを逃し8位に終わりました。


私は、オリンピックの生中継をほとんど見ません。私が見ると、なぜか日本選手が負けてしまうからです。
男子スノーボードのハーフパイプ決勝だけは、たまたまテレビがついていたので出かける支度をしながらちらちら見ていました。

国母選手、出だしは調子がよかった。NHKのアナウンサーもメダルに届くかと興奮気味でした。ところが競技の最後の最後に転倒、低い点数で終わってしまった。

そのときの私の感想が、「ああ、やっぱりな。」でした。

服装が乱れているから、言動が顰蹙をかっているから、そんな人柄だからうまくいかないのだと思ったわけではありません。
勝った外国人選手も紳士とは言いがたい面々だったように思います。

私が「やっぱりだめだったか」と思った理由は『人気』です。

人気がある、ないの「人気」とはちょっと違う。
「人の気」、他人がその人に向ける『気』、念力に近いものです。

日本国民がこぞって「国母選手、頑張れ!頑張れ!」という『気』を送っていたら、あの転倒はなかったであろう。
「こんな品のないアンチャンが勝てるはずがない」、「なんだ、こいつ、腹がたつ、負けて恥をさらせ」と、相当数の人が悪い『気』をテレビ画面に送っていたであろうから最後までうまくいくはずがない。
そういう意味の「やっぱりこうなったな」でした。

「何を非科学的なことを言っているのだ。」と思われる方が多いかもしれませんから、言い直します。
オリンピックなんて、よほどの達人でないと出られるものではありません。世界の最高峰が集って競う場です。実力などは紙一重。
そんな場所で、「戦っているのは自分だけではない、自分を応援してくれている人の願いも自分を助けてくれている。」と確信して競技に臨む人と、「自分は孤立無援だ、国民さえも敵だ、くそ、見返してやる。」と思って戦う人との、その差は限りなく大きい。

国母選手は国民からの「どす黒い思念」、「悪意」に転ばされたのです。


『実るほど頭(こうべ)をたれる稲穂かな』。
昔の人は人の悪意やねたみが一番害をなすことをよく知っていました。呪詛、たたりを信じていました。
「科学的」になった現代人は人が人に向ける『気』に無頓着です。
しかし、人を応援する良い『気』、人の足を引っ張る悪い『気』は確かに存在する、ある程度歳をとるとそれがわかってきます。


受験も、スケールは違いますが、受験生にとってはオリンピックです。
人生にそう何度もない、大試合です。

やはり、人の『気』に左右される要素が、そこにはあります。

まわりの人が、「ああ、この子に勝たせてやりたい!」、「あれだけ頑張っていたんだから勝ってほしい!」、「こんないい子に泣いてほしくない!」と必死で応援してくれるほどの毎日をおくれているでしょうか?

あなたに『人気』は集まっていますか?



science 金星の公転周期(理科の難問を比で解く)


今日、日曜勉強会に出席していた中3の女子が、やり方がわからないと質問してきた問題です。

問題:太陽を中心とした地球と金星の位置関係が変化するのは、地球と金星の公転周期が異なるためである。地球の公転周期を1年としたときの金星の公転周期は0.62年である。
図において、地球はXに、金星はYに位置する。あ〜えのうち、地球がXに位置する日から3ヵ月後の地球の位置として最も適しているものを解答欄の(i)に、ア〜クのうち、金星がYに位置する日から3ヶ月後の金星の位置として最も適しているものを解答欄の(ii)に、1つずつ選び、記号を書きなさい。
(平成21年度大阪府後期公立高校入試の問題です。)

図まず地球の位置から。

地球の、自転の向きも公転の向きも時計の反対まわりです。
したがって地球は、と動いていきます。

1年で1周、360度動きますから、3ヶ月だと1年・12ヶ月の4分の1、90度動きます。
あるいは、地球が1ヶ月に動く角度は360度÷12ヶ月=30度だから、3ヶ月に動く角度は30度×3=90度。
いずれにしても、3ヵ月後の地球の位置は「」です。

やや難しいのは3ヵ月後の金星の位置です。

中学生にどう説明したら一番わかりやすいか、ちょっと悩みました。

最近思っているのですが、中学生が難しいと感じる問題のうちいくつかの問題は、徹底して比を使って解くとずいぶん簡単になるのではないでしょうか。
(例えば、calとJの変換の問題などは比を使うとめちゃくちゃ簡単になります。)

それで、この問題も比を使うのが一番わかりやすいのではないかと思って次のように説明しました。

地球の公転周期1年に対して金星の公転周期は0.62年です。

このとき、地球と金星の動く角度の比は単純な1:0.62ではありません。

地球が1年かかって360度まわる間に、金星はそれより短い0.62年で360度まわります。
同じ角度をまわるのにかかる時間が1:0.62ということは、同じ期間にまわる角度は逆の0.62:1になるはずです。

小学生の算数、速さの問題で、同じ距離を進むのにかかる時間がa:bだと、速さの比は逆の比のb:a(時間がかかるほうが遅い)、だから同じ時間に進む距離の比もb:aになるのとよく似ています(というか、同じです)。

同じ3ヶ月で地球と金星のまわる角度は公転周期の比の逆の0.62:1であると判断します。
3ヶ月かかって地球のまわる角度が90度で同じ期間に金星のまわる角度をxとすると、0.62:1=90度:x度の比例式をたてることができます。

0.62:1=90:x
0.62x=90
x=90÷0.62
x=145.1・・・

3ヶ月で金星が動く角度は約145度です(動く向きは、地球と同じ時計の反対まわりです)。

以上より、答えは、Yの位置から時計の反対まわりに145度動いた「」です。

比の式、比例式を使って問題を解くと、式をたてる段階でじっくり考えて正しい式をつくることができれば、あとは悩まずに解き進めることができます。



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