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mathematics 算数のコツ(12)(相当算を、分数を使わずに解く)
- 2009.12.31 Thursday
- 算数・数学
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- by アリ
中学受験の算数の問題を解くのに、できるだけ分数を使わずに整数で考えるとわかりやすいように思います。
特に相当算は、図をかいて、整数で考えると解きやすくなります。
例題1:Aさんはある本を、1日目に全体の1/5より12ページ少なく読み、2日目には残りの2/3より10ページ多く読んだので、50ページ残りました。この本は全部で何ページありますか。
相当算は、問題文のうしろから解いていくのがコツです。
できるだけ、分数を使わないで、整数を使って解いてみましょう。
「残りの2/3より10ページ多く読んだ」ら50ページ残ったということは、10+50=60ページが残りの1/3ということです。
ということは、残りはその3倍になりますから、残りは60×3=180ページ。
1日目、1/5より12ページ少なく読んだので、180−12=168ページが、本全体の4/5にあたります。
168÷4×5=210ページ。
本全部のページ数は210ページです。
もう少し複雑になっても、同じやり方で解けます。
例題2:何本かの鉛筆をA、B、Cの順にとっていきます。最初、Aは全体の1/3と3本をとり、次にBが残りの1/3と1本をとり、最後にCが残りの6/7をとったところ、3本だけ残りました。はじめ鉛筆は何本ありましたか。
やはり、できるだけ整数を使って、最後から、解いていきます。
最後に残った3本が1/7にあたるから、Bがとったあとに残った鉛筆は3×7=21本。
21本に、1本をたした22本が、Aがとった残りの2/3にあたる。
だから、Aがとった残りは、22÷2×3=33本。
さらに問題の前にもどって、33本に3本をたした36本が全体の2/3だから、全体は、36÷2×3=54本。
mathematics 算数のコツ(11)(速さの問題を、逆比で解く)
- 2009.12.30 Wednesday
- 算数・数学
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- by アリ
Aの3倍とBの4倍が等しいとき、AとBの比は3:4ではなくて、逆の、Aが4でBが3、4:3です(A×3=B×4のとき、4×3=3×4のはずだから)。
逆の比になるので、「逆比」といいます。
速さの問題で、この逆比の考え方を使うとあっさり解ける問題がよく出題されます。
Aの「速さ」が時速4km、Bの「速さ」が時速5kmだとします。速さの比は4:5です。
2時間に進む距離は4×2=8kmと5×2=10kmなので、距離の比は8:10=4:5。速さの比と同じになります。
ところが、20kmを進むのにかかる時間は、Aだと20÷4=5時間、Bは20÷5=4時間。A:B=5:4で、速さの比と逆になります。
速い人のほうがかかる時間は少ないはずなので、当然といえば当然ですが、「速さと時間の比は逆になる」と覚えておくと便利です。
例題1:A君は午後1時にP市を出発し午後4時にQ市に着きました。B君は午後1時50分にQ市を出発し、A君と同じ道を逆に歩き、午後6時50分にP市に着きました。2人は午後何時何分何秒にすれちがいましたか。
PQ間の距離がわからないので、2人の速さを求めることができません。同じ距離を進んだときの時間はわかるので、比を求めてみます。
A君は、午後1時から4時までの3時間。
B君は、午後1時50分から午後6時50分までの5時間。
同じ距離を歩くのにかかる時間の比は3:5です。
B君が出発した1時50分からA君がQ市に到着するまでの間に2人は出会ったはずなので、左のような図をかいて考えます。
同じ距離を進むのにかかる時間がA:B=3:5なので、速さの比は逆比の5:3、したがって、同じ時間にすすむ距離の比も5:3です。A君は1時50分から4時まで歩く距離のうち5:3の5の距離、すなわち5/8を進んだときにB君と出会うはずです。
そうすると、A君がB君と出会う時間は、1時50分から4時までの130分のうちの5/8を行ったときです。
130÷8×5=650/8=325/4=81と1/4分
1/4分は60×1/4=15秒だから、
1時50分より81分15秒あと、つまり3時11分15秒に2人は出会います。
例題2:3人で湖を1周します。BはAより4分遅れて出発し、5分後にAを追い越します。CはBより8分遅れて出発し、6分後にAを追い越しました。CがBを追い越すのはCが出発してから何分後ですか。
BがAより4分遅れて出発し5分後にAを追い越すということは、Aが9分で進む距離をBは5分で進むということです。AとBの時間の比が9:5で、AとBの速さの比は逆比の5:9です。
CはBより8分後、つまりAよりも4+8=12分あとに出発し、6分後にAを追い越したので、同じ距離を進む時間の比はA:C=(12+6):6=18:6=3:1。速さは逆比で、A:C=1:3。
速さの比が、A:B=5:9、A:C=1:3なので(連比です)、Aの両方の比を5にそろえると、A:B=5:9、A:C=5:15。
よってB:C=9:15=3:5
BとCの比がわかったので、Bが1分に進む距離を3、Cが1分に進む距離を5と仮定します。
BはCより8分前に出発していたので、先行している距離は3×8=24
これをCが1分に5−3=2ずつ距離を縮めていくので、
24÷2=12分後にCはBに追いつきます。
話は横道にそれますが、仕事算は、逆数を使うことで、実は逆比で(比を意識はしませんが)問題を解く例です。
例題3:AとBが池の周りを歩いて1周するのに、Aは16分、Bは24分かかります。いま、AとBが同じ位置から同時に反対方向に進むとき、何分ごとに2人は出会いますか。また、同じ方向に進むとき、何分ごとにAはBを追い越しますか。
池1周を割合の1としたとき、Aは1分に1/16、Bは1分に1/24の割合を進むことになります(16:24に対して1/16:1/24が逆比です)。反対方向に進んで出会うときは2人で1周分を進めばよいので1÷(1/16+1/24)=1÷5/48=48/5=9と3/5分
同じ方向へ進むときは、1周分、速いほうが多く進めばよいので1÷(1/16−1/24)=1÷1/48=48分
公倍数を利用すると、逆比だということがさらによくわかります。
1周を16と24の公倍数48の距離と仮定すると、Aが1分に進む距離は48÷16=3、Bが1分に進む距離は48÷24=2(16分:24分の逆比、3:2になりました)。
同じ方向に進むとき、出会うまでにかかる時間は48÷(3+2)=48/5分
逆の方向に進むとき1周分多く進むのは48÷(3−2)=48分
mathematics 算数のコツ(10)(実は簡単、図形の移動の問題)
- 2009.12.29 Tuesday
- 算数・数学
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- by アリ
図形の移動の問題は、一見複雑ですが、実は簡単に解くことができます。
回転の角度を見つけて解く問題
例題1:左の図で、四角形ABCDは1辺が9cmの正方形、三角形PQRは正三角形です。三角形PQRを、点Dを中心にして、辺PRが辺CD上にくるまで回転させます。このとき、頂点Pがえがく線の長さは何cmですか。
コツの1:図形が移動したあと、どこにあるかを先にかいてみます。
コツの2:「点Dを中心に」の言葉を見落とさないで、点Dが中心で、半径PD(PR)の円弧をえがけばよいことに気づきます。
正方形の1つの角度は90度、正三角形の1つの角度は60度であることから、頂点Pのえがく線の長さは、半径9cm、中心角210度のおうぎ形の弧の長さであることがわかります。
18×3.14×210/360
=18×3.14×7/12
=32.97cm
左の図のような、「半径9cm、中心角が210度のおうぎ形の弧の長さを求めなさい」という問題であれば簡単です。
図形の移動の問題は、(1)移動した後の図形を先にかきこんで考える、(2)中心と半径を見つけ、おうぎ形の問題として考える、の2つのコツで、簡単な問題であることに気づくことができます。
図形が通った後の面積を求める問題
例題2:半径が6cmの半円があります。左の図のように、点Aを中心として60度回転させました。かげをつけた部分の面積を求めなさい。
「かげをつけた部分の面積」を求める問題は、「全体から不要な部分をひく」という方法で解くのが原則です。
この問題も、この原則にそって考えます。
その際、すぐに計算にとりかからないで、簡単に求める方法がないかどうかを検討してから解きはじめます。
この問題では、全体は半径6cmの半円と半径12cmで中心角60度のおうぎ形の面積の和、不要な部分は半径6cmの半円です。
半径6cmの半円はなくなるので、結局、かげをつけた部分の面積は、中心角60度、半径12cmのおうぎ形の面積と等しいことに気づけば、計算も簡単です。
12×12×3.14×60/360
=12×12×3.14×1/6
=2×12×3.14
=75.36
3.14のからんだ計算は、あわてて筆算をしないで、できるだけ式を簡単にしておき、筆算を最後にすることも忘れないように。
次の問題も、同じ種類の問題です。
例題3:三角形ABCがあり、辺ABの長さは6cm、辺ACの長さは9cmです。この三角形を、点Aを中心として60度回転させたものが三角形ADEです。かげをつけた部分の面積を求めなさい。
やはり原則どおり、「全体から不要な部分の面積をひく」方針で考えていきます。
全体は、半径9cm、中心角60度のおうぎ形に三角形ABCを加えたものです。
ひかないといけない不要な部分は、三角形ADEと、半径6cmで中心角60度のおうぎ形です。
三角形ABC−三角形ADEで、三角形の部分はなくなりますから、結局、半径9cm、中心角60度のおうぎ形から、半径6cm、中心角60度のおうぎ形をひくだけでよいことがわかります。
9×9×3.14×60/360−6×6×3.14×60/360
=9×9×3.14×1/6−6×6×3.14×1/6
=(9×9−6×6)×3.14×1/6
=45×3.14×1/6
=15×3.14×1/2
=23.55
3.14が出てくる計算なので、式を簡単にして、筆算は最後にすること。
円が別の図形の周囲を移動する問題
例題4:たての長さが10cm、横の長さが15cmの長方形ABCDがあります。この長方形の外側を、周にそって半径2cmの円Pが1周し、長方形の内側を、周にそって半径2cmの円Qが1周します。
(1)円の中心Pと円の中心Qがえがく線の長さを求めなさい。
(2)中心Pの円が通ったあとにできる図形の面積を求めなさい。
長方形の外側と内側とでは円の動き方が違います。
まず、内側から。
図の赤線で示した、たて10−2×2=6cm、横15−2×2=11cmの長方形になります。
よって、中心Qのえがく線の長さは(6+11)×2=34cm
外側を動く円の動き方には注意が必要です。
辺上を動くときは、たてと横の動きですから中心の動いたあとは直線になりますが、頂点にそって移動するときは円の弧をえがく動きになります。
外側を移動する円の中心が動いたあとを見つけるコツは、接点を通る円の半径と辺とが90度のところが直線の動きをするところなので、その境界線をあらかじめかいておくことです。
頂点で曲がる部分は円周の一部になります。さらに、円周の一部にあたる4つの部分は、合わせると1つの円になります。
よって、中心Pのえがく線の長さは、
10×2+15×2+4×3.14
=20+30+12.56
=62.56cm
(2)中心Pの円が通ったあとにできる図形の面積
中心がえがいた線の問題と考え方、やり方は一緒です。
たて10cm、横4cmの長方形が2つ、たて4cm、横15cmの長方形が2つ、そして、半径4cmの円の面積、以上の和です。
10×4×2+15×4×2+4×4×3.14
=80+120+50.24
=250.24
mathematics 算数のコツ(9)(差集め算・つるかめ算で解く速さの問題)
- 2009.12.28 Monday
- 算数・数学
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- by アリ
速さの問題なのに差集め算やつるかめ算の考え方を使って解く問題があります。
最近の流行です。
差集め算で解く速さの問題
例題1:A君は家から駅に行くのに、毎分80mで歩くと電車の発車時刻に5分遅れるので、毎分120mで走ったところ4分前に着きました。家から駅まで何kmありますか。
電車の発車時刻を基準にして、どれだけの距離の差が生じたかを考えます。
4分前に着いた人を駅に止まらせないで、そのまま駅を通り過ぎて進ませると考えたらわかりやすくなります。
距離の差を求めます。
分速80mの場合、まだ80×5分=400m、駅より手前にいます。
分速120mの場合、120×4=480m、駅を通り過ぎています。
その差は400+480=880m
この差はどこから生まれたかというと、毎分120mと毎分80mの差、つまり1分につき40mの差が積み重なったものです。
だから、全体の差を1分あたりの差でわると、家を出てから電車の発車時刻までの時間を求められます。
(80×5+120×4)÷(120−80)=880÷40=22分
電車の発車時刻は家を出てから22分後だとわかりました。
よって家から駅までの距離は、
80×(22+5)=2160m、または
120×(22−4)=2160m
答えは2.16kmです。
同様の問題をもう1問。
例題2:ある道のりを行くのに、時速6kmで行くと予定より30分早く着き、時速5kmで行くと予定よりも6分早く着きます。何kmの道のりを、何時間何分で行く予定ですか。
予定時刻を基準にして、どれだけの差が生まれたかを考えます(この問題でも、やや不自然ですが、予定時間を過ぎても進み続けたと考えます)。
時速と計算できるのは分ではなくて時間です。分を時間になおしておくことを忘れずに。
30分は時間になおすと30÷60=1/2時間、
6km×1/2=3km
6分は時間になおすと6÷60=1/10時間、
5×1/10=1/2km
2つの距離の差は、時速6kmと時速5kmの差から生まれたので、
(6×1/2−5×1/10)÷(6−5)=(3−1/2)÷1=5/2時間(2と1/2時間)
1/2時間は60×1/2=30分
よって、予定時間は2時間30分
距離は、6×(2と1/2−1/2)=6×2=12km
または、5×(2と1/2−1/10)=5×12/5=12km
つるかめ算で解く速さの問題
例題3:A町からB町へ行く道は上りの道と下りの道があり、あわせて54kmです。たけし君は、上りを毎時3km、下りを毎時5kmの速さで歩き、A町からB町まで14時間かかりました。上りの道は何kmですか。
合わせて14時間はわかっていますが、毎時3km、毎時5kmで歩いた時間がそれぞれ何時間かは不明です。
だから、つるかめ算です。
つるかめ算なので、どちらかの速さだけで歩いたと仮定します。上りの道を求めないといけないので、反対の、下りの道だけだと仮定します。
5km×14時間=70km
実際の距離、54kmとの差は、毎時5kmと毎時3kmの差から生まれたので、
(70−54)÷(5−3)=16÷2=8時間
上りの道にかかった時間は8時間だとわかりました。
よって、上りの道は、3×8=24km
mathematics 算数のコツ(8)(時計算は図の書き方を工夫する)
- 2009.12.27 Sunday
- 算数・数学
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- by アリ
時計算を解くときのコツは、2段階の図をかくことです。
長針と短針の間の角度を求める問題
例題1:時計の針が2時24分をさすとき、長針と短針の間の角のうち、小さい方の角度は何度ですか。
いきなり2時24分の図をかくとわかりにくい。最初に2時をかき、その後2時24分をかいて考えます。
長針は1時間に時計盤を1周します。つまり、60分で360度回転します。
360÷60=6度
長針は1分で6度、動きます。
短針は12時間で時計盤を1周します。
360÷12=30度、短針が1時間に回転する角度は30度です。
30度÷60分=0.5度
短針は1分で0.5度、進みます。
(1)2時、長針と短針は2時間分、30度×2=60度離れています。
(2)長針は1分に6度進みますから、24分で6×24=144度進みます。
(3)短針は1分に0.5度進み、2時を指していたところから、24分で0.5×24=12度進みます。
(1)(2)(3)より、長針と短針のつくる角のうち小さいほうの角度は、長針の進んだ角度144度から、最初に離れていた60度と短針の進んだ角度12度をひいた角度、144−60−12=72度であることがわかります。
長針と短針の重なる時刻を求める問題
時計算+旅人算の問題です。
例題2:3時から4時までの間について、次の問いに答えなさい。
(1)時計の長針と短針が重なる時刻は何時何分ですか。
(2)時計の長針と短針のつくる角度が60度になってから、2回目に60度になるまでに何分かかりますか。
(1)長針と短針の重なる時刻
やはり、最初は3時の図をかきます。
長針と短針は90度離れています。
次に、重なったところを(図にかいて)考えます。
逃げる短針を追いかけた長針が追いついたと考えたらよいことがわかります。
最初に離れていた角度は90度です。
旅人算と同様に、1分に6度進む長針が、1分に0.5度進む短針との差を縮めていきます。1分に縮めることのできる角度は6−0.5=5.5度です。
90÷(6−0.5)=90÷5.5=900÷55=180/11分
(5.5でわるのでわり切れることは考えにくく、答えは分数になるのが普通です。)
わかりやすい帯分数になおすと16と4/11分です。
答えは3時16と4/11分です。
(2)時計の長針と短針のつくる角度が60度になってから、2回目に60度になるまでに何分かかりますか。
最初に60度になった場面をまずかいてみます。
次に、2回目に60度になるところをかいてみます。
長針が、短針より60度前から、短針を60度追い越したところまで進んだらよい、つまり120度多く進んだらよいことがわかります。
120÷(6−0.5)=120÷5.5=1200÷55=240/11分
帯分数にすると、21と9/11分
このように、時計算は、2段階の図をかいてじっくりと検討すると、案外簡単に解くことができます。
mathematics 算数のコツ(7)(食塩水の問題は2種類ある)
- 2009.12.26 Saturday
- 算数・数学
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- by アリ
食塩水の濃度の問題は2種類に分類できると思ってください。
本論に入る前に、問題に使われている言葉の意味をおさえておきましょう。
例えば「8%の食塩水200g」と問題文に書いてあるとき、その意味は、「200gの食塩水があって、そのうちの8%がとけている『食塩』の量である」という意味です。
あたりまえのことですが、そのあたりまえのことから、食塩水の問題を解くときは「食塩の量を最初に求めて、それを使って考えたらよい」という発想が出てきます。
最初に食塩の量を求めてから解く問題
まず、もっとも代表的な問題から。
例題1:5%の食塩水100gと10%の食塩水150gを混ぜると何%の食塩水ができますか。
最初にそれぞれの食塩水にとけている食塩の量を求めておきます。
100g中の5%だから100×0.05=5g。150gの10%だから150×0.1=15g。
それから、問題を見直します。
できた食塩水の濃度(割合)を求める問題だから、食塩÷食塩水。
食塩の量は5+15=20g
食塩水の量は100+150=250g
だから、20÷250=0.08
8%です。
少し複雑な問題になっても、まず食塩の量を求めたらなんとかなります。
例題2:14%の食塩水200gに食塩20gと水100gを加えると何%の食塩水になりますか。
最初にあった食塩の量は200×0.14=28g。
それに20g加えたから、結局、食塩の量は28+20=48g。
できた食塩水の濃度(%)を求める問題だから食塩÷食塩水全体。
(28+20)÷(200+20+100)=0.15
15%です。
他のタイプの問題も同様に、とにかく先に食塩を求めます。
例題3:3%の食塩水150gを蒸発させて5%の食塩水にするには水を何g蒸発させたらよいですか。
食塩の量は150×0.03=4.5g
この食塩が水が蒸発した後の食塩水の5%にあたるから、4.5÷0.05=90g
食塩水全体が90gになればよいので、蒸発させる水は150−90=60g
やや難しい問題も、まず食塩の量を求めて、その後も食塩に集中して考えたらなんとかなります。
例題4:10%の食塩水Aが160gと、5%の食塩水Bが200gあります。いま、Bから40gだけ取り出してAに移し、よくかき混ぜてから、AからBへ40gだけ移しました。このとき、Bの食塩水の濃さは何%ですか。
Aに最初ふくまれていた食塩の量は160×0.1=16g
Bに最初ふくまれていた食塩の量は200×0.05=10g
ここからも、食塩だけに注目します。
BからAに40g移したとき、BからAに移った食塩の量は10gのうちの5分の1(200g中の40g移ったから)の2g
この時点で、Aの中の食塩の量は16+2=18g
また食塩水の量は160+40=200g
次にAからBへ40gもどしたとき、移った食塩の量は18gのうちの5分の1(200gの食塩水のうち40gを移したから)で、18×1/5=3.6g
最終のBの中の食塩の量は、最初あった10gから2gをAに移したあと、3.6gもどってきたから10−2+3.6=11.6g
また、食塩水の量は200−40+40=200g
よって、Bの濃度は11.6÷200=0.058
Bの食塩水の濃さは5.8%
このように、ほとんどの食塩水の問題は、先に食塩の量を求めておき、食塩の量に注目して考えていけばなんとかなります。
逆比(反比例)の考え方を利用する問題
ところが、最近よく出題されるのは、最初に食塩を求められない問題群です。
この種類の問題は、反比例(一方が2倍・3倍・・・になれば他方は1/2倍・1/3倍・・・)の考え方、(同じことを別の言葉で言うと)、逆比(a:bであればb:a)の考え方を利用して解くことができます。
(余談ですが、算数の世界の2つのものの関係は、そのほとんどが比例か、反比例です。)
例題5:2%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて9%の食塩水100gを作りたい。それぞれ何%ずつ混ぜたらよいか。
この問題では、100×0.09=9gと食塩の量を求めても、その後どうしたらよいかわからなくなります。
この種の問題が反比例・逆比を使う問題です。
2%と10%の食塩水から9%の食塩水をつくる場合、9%と10%は近いからほとんど両方の食塩水の量に差はないはず、逆に9%と2%は離れているので食塩水の量も大きくちがっているはず、だから、圧倒的に10%の食塩水のほうが混ぜた量が多いのではないかと考えます。
(極端な例を考えると納得できます。大量の10%の食塩水とごく少量の2%の食塩水を混ぜたら、できた食塩水の濃度は10%にきわめて近いはずです。)
つまり、2%のほうは9%との差は7%、10%のほうは9%との差は1%、7:1です。この差を縮めるには、食塩水の量は逆に1:7になるのではないかと発想します。
合わせて100gになる食塩水を1:7に分けると、100÷8×1=12.5g
よって、2%の食塩水は12.5gです。
mathematics 算数のコツ(6)(比や割合の問題は1の量を求める)
- 2009.12.25 Friday
- 算数・数学
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- by アリ
割合や比の問題は、1にあたる量を求めることに専念すると簡単に解けることがあります。
比の基本的な問題
例題1:2400円を兄と弟の分の比が9:7になるように分けるとき、兄の分は何円になりますか。
教科書にのっているやり方、「お金全体の比は9と7を合わせた16になるから、16:9=2400:( )」でもよいし、分数を使って、「2400×9/16」でも求められますが、ともに問題文中に書いてない16という比を先に求めないといけません。
問題自体は簡単ですが、書いてある数字をそのまま使うやり方に染まりきっている今の子はこの問題が苦手です。
一番子どもたちの理解が速いのは、次のような解き方です。
ややこしい問題ほど図をかかないと解けませんから、この問題でも図をかきます。
図をかくとき、金額などの実際の量を表わす数字はそのまま数字で、割合や比を表わす数字は丸で囲むようにします。
そうすると、2400÷16=150で、割合の1にあたる量が150円であることを求められます。兄の比(割合)は9ですから、150×9=1350円です。
この方法が、今の子どもたちにとっては一番やりやすい方法ではないのかと最近思っています。
他の長所もあります。(1)図をかいて解くという、よい癖がつく。(2)応用問題も同じ発想で解くことができる。
比の応用問題
例題2:はじめ、姉と妹の金額の比は4:3でした。姉が200円使ったら、姉と妹の金額の比が6:5になりました。妹は何円持っていますか。
やはり、最初に図をかきます。
最初の比と後の比は別物なので、最初の比は丸で囲み、後の比は四角で囲むなどして区別しておくとわかりやすくなります。
この問題は、もう一つの技、「公倍数を利用する」も活用します。
4と3の公倍数12か、6と5の公倍数30に無理やりそろえます。
例えば、姉のすべての数字を3倍、妹を4倍して、比の3と4を公倍数の12にそろえた図をかいてみましょう。
公倍数の12はそろったので無視します。
四角で囲んだ比の違いは20−18=2、それが600円ですかから、600÷2=300で、四角で囲んだ割合の1にあたる量が求められました。
問題で尋ねられているのは妹の金額で、四角の比は5です。四角の1にあたる量の5倍だから、300×5=1500円。
分配算
例題3:三角形ABCがあります。角Bの大きさは角Aの大きさの1.5倍より4度大きく、角Cの大きさは角Aの大きさの3.5倍より4度小さくなっています。角Bの大きさは何度ですか。
Aの割合を1とします。
そうすると∠Bは割合の1.5+4度、∠Cは割合の3.5−4度。
1+1.5+3.5+4度−4度=180度
割合の1+1.5+3.5=6が180度なので、180÷6=30度。
割合の1にあたる角度が30度とわかりました。
だから、∠B=30×1.5+4=49度。
この問題などは、算数本来の「もとにする量」を1と考える問題であって、この稿でいう「1にあたる量」を求める趣旨にはやや反するのですが、「1にあたる量」を求める問題と一括するとわかりやすくなるのではないかと思います。
mathematics 高校入試問題研究:数学(6)(大阪府公立の空間図形)
- 2009.12.24 Thursday
- 算数・数学
- 21:29
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- by アリ
大阪府公立高校入試で出題される空間図形の問題について、解き方を考えます。
問題は平成21年度の後期B問題です。
4
図1〜図3において、立体ABCD-EFGHは四角柱である。四角形ABCDと四角形EFGHは合同な台形であり、AB//DC、∠ABC=∠BCD=90度、AB=5cm、BC=4cm、CD=3cmである。四角形ADHE、DCGH、ABFE、BCGFは長方形であり、AE=2cmである。
次の問いに答えなさい。答えが根号をふくむ形になる場合は、その形のままでよい。
(1)図1において、
[1]次のア〜オのうち、辺BCと平行な辺、辺BCとねじれの位置にある辺はそれぞれどれですか。一つずつ選び、記号を書きなさい。
ア 辺AD イ 辺BF ウ 辺DC エ 辺EH オ 辺FG
解いていく
辺BCと平行な辺は辺FGです。よって解答はオ。
辺BCとねじれの位置にある辺は、AE、DH、EH、EF、HGです。よって、選択肢の中ではエ。
[2]AとGとを結んでできる線分AGの長さを求めなさい。
解く前の準備
AGが直方体の対角線になっていることに気づけば簡単です。
直方体の対角線を求める公式は、直方体の縦をa、横をb、高さをcとすると、
です。
三平方の定理の単元の公式の中で、この公式は空間図形の問題を解く際によく使います。
解いていく
直方体の対角線の公式より、
正解は3√5です。
(2)図2において、Iは、Eを通り辺FGに平行な直線と直線HGとの交点である。このとき、4点E、B、C、Iは同じ平面上にあり、EとB、IとCとをそれぞれ結んでできる四角形EBCIは長方形である。 Jは、辺ICと辺DHとの交点である。EとJとを結んでできる△EJIの面積を求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。
解く前の準備
△EJIが∠EIJ=90度の直角三角形なので、辺IJの長さがわかれば△EJIの面積を求められます。
次に、IJの長さを求めるのに、△IJH∽△ICGが使えることに気づけば完璧です。
よし、これで解こうと目標が決まったので、そのために必要な長さを図に書き込んでおきます。
解いていく
仮定∠IGC=90度より、△ICGは直角三角形である。
よって、三平方の定理より、
△IJHと△ICGで、共通にふくまれるので∠JIH=∠CIG、また仮定より∠IHJ=∠IGC=90度
2組の角がそれぞれ等しいので△IJH∽△ICG
相似な図形の対応する辺の比は等しいので、
IJ:IC=IH:IG
IJ:√29=2:5
5×IJ=2√5
IJ=2√29/5
よって、△EJIの面積は、
4×2√29/5÷2
=4√29/5
(3)図3において、四角柱ABCD-EFGHは平面EFCDによって二つの立体に分けられる。その二つの立体のうち、点Aをふくむ方の立体の体積を求めなさい。
解く前の準備
一見複雑に見える立体の体積を求める問題です。どこかで切って分けないと体積を求めることができません。
このような問題にはコツがあります。
それは、「体積を求める公式を習っているものに分ける」ことです。
中学生が習っている体積の公式は、今のところ、円柱や角柱の「底面積×高さ」か、円錐・角錐の「底面積×高さ×1/3」だけです。
だから、この問題も、角柱と角錐に分けて求めようと方針を決めてしまいます。
分け方としては、左の図のような切り方をするとやさしく求められると思います。
Dを通り、BCに平行な直線と線分ABとの交点をK、FCに平行な直線とEFとの交点をLとします。面KDLで切り分けます。
解いていく
上は、正方形AKLEを底面とする四角錐です。∠AKD=∠LKD=90度より、線分KDがこの四角錐の高さになります。
2×2×4×1/3=16/3
下は、△LKD(△FBC)を底面としDC(KB)を高さとする三角柱です。
KD⊥KLより、
(4×2×1/2)×3=12
よって、
16/3+12
=16/3+36/3
=52/3
大阪府公立高校入試:空間図形の問題の特徴
・やはり、問題文が長い
図で確認できることは流し読みして大丈夫です。
・身近にある物を題材に問題が作られているが、問題を解くときは無視してよい
・最近、空間図形の問題はあまり難しくない
出題順としては空間図形が最後の問題になります。先に出題されている関数や規則性の問題、平面図形でてこずって、得点できたはずの空間図形の問題を解けなかったということがないように、時間配分を考えないといけません。
mathematics 高校入試問題研究:数学(5)(大阪府公立の平面図形)
- 2009.12.23 Wednesday
- 算数・数学
- 21:23
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- by アリ
大阪府公立高校入試で出題される平面図形の問題について、解き方を考えます。
問題は平成21年度の後期B問題を使いました。
2
次は、左の写真のように箱のふたを移動させたときのようすをモデルにした問題である。
図1〜図3において、四角形ABCDはAB=10 cm、AD=18 cmの長方形であり、四角形EFGHはEF=3cm、 EH=18 cmの長方形である。 Dは辺EH上にあり、Eは直線ADについてCと反対側にある。辺FGと辺DCは、C、Gと異なる点で交わっている。1は、辺FGと辺DCとの交点である。
次の問いに答えなさい。
(1) 図1、図2において、Gは直線BC上にあってCについてBと反対側にある。Fは、直線ADについてCと反対側にある。このとき、辺FGと辺ADは交わる。Jは、辺FGと辺ADとの交点である。
[1]図1において、五角形ABCIJの内角∠IJAの大きさをaとするとき、△ICGの内角∠GICの大きさをaを用いて表しなさい。
解く前の準備
平行線の同位角は等しいので∠a=∠JDH、∠GIC=∠HDIで解くのが一般的かもしれません。
私は、△JIDで解けそうだと思いました。
解いていく
∠DJI=180度−a
∠JID=三角形の内角180度−∠DJI−∠JDI
=180−(180−a)−90
=a−90
対頂角だから∠JID=∠GIC
よって、∠GIC=a−90
[2]図2は、Iが辺DCの中点であるときの状態を示している。
図2において、線分AJの長さを求めなさい。
解く前の準備
IがDCの中点だから、DI=IC=5cmを入れて考えます。
「AJの長さを求めなさい」とありますが、こちらが求められるはずがありません。
数学で考えるときの基本図形は三角形。JDを求めたらAJがわかると考えて、JD=xとします。
問題文で与えられた条件のうち10cmはDI=IC=5cmで使いました。まだ使っていない条件はないか、考えます。さらに、図形の問題で利用できるのは、ほぼ「相似」か「三平方の定理」だということを念頭において、Iを通りGHと平行な線分IKを書き入れます。(21年度の前期試験・理数科数学の問題でほぼ同様の問題が出題されていたことがヒントになりました。)
当然、IK=3cm。そうするとDK=4cmだということに気づきます。これで、相似が使えそうです。
解いていく
△JID∽△IDKより、x:3=5:4
4x=15
x=15/4
よって、AJ=18−15/4=72/4−15/4=57/4
(2)図3において、Fは辺AD上にある。 KはFを通り辺ABに平行な直線とGを通り辺ADに平行な直線との交点である。このとき、FK⊥KGである。Lは、線分KGと辺DCとの交点である。
[1]△EFD∽△KFGであることを証明しなさい。
解く前の準備
△EFD∽△KFGを証明するときに使う相似条件は「2組の角がそれぞれ等しい」になりそうです。
1つ目は∠E=∠K=90度、2つ目は平行線の錯角を利用しようと決めます。
解いていく
△EFDと△KFGにおいて
長方形の角だから∠DEF=90度
仮定FK⊥KGより∠GKF=90度
よって、∠DEF=∠GKF
EH//FGより、平行線の錯角は等しいので∠EDF=∠DFG
FD//KGより、同様に∠DFG=∠KGF
よって、∠EDF=∠KGF
以上より、2組の角がそれぞれ等しいので△EFD∽△KFG
[2]長方形FKLDの面積を求めなさい。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。
解く前の準備
四角形FKLDの面積を求める問題です。
縦×横、FK×FDを使うしかなさそうです。一応、FK=xとおいてみます。
[1]から続いた問題なので、△EFD∽△KFGを使うはず、と考えます。
教科書や問題集でよく見かけるようなありふれた問題ではありません。悩んだすえ、問題文中にある数字で使えそうなものはないかと見直して、FG=18を書き入れてみました。
これでやっと、△EFD∽△KFGが使える形になりました。
解いていく
「求め方も書くこと」とあるので、論理の飛躍がないように(〜だから・・・を忘れないように)、解く過程を書いていきます。
長方形FKLDの縦FKをxとする。
△EFD∽△KFGより、相似な図形の対応する辺の比は等しいから、EF:KF=FD:FG
よって、3:x=FD:18
FD×x=3×18
FD=54/x
長方形FKLDの面積はFK×FDで求められるから、x×54/x=54
(前に同じような問題を解いた記憶があるので解けましたが、現役の中3生には難しかったと思います。私が受験生だとしたら、うまく解けたかどうか自信がありません。)
大阪府公立高校入試:平面図形の問題の特徴
・問題文が長過ぎる
問題文中の長さや角度は丁寧に図に書き込んでおかないといけません。
しかし、図を見たら確認できる部分は気楽に読み進んで大丈夫です。
・身のまわりにある物を題材にして問題が作ってある
昔からの大阪府の伝統で、この問題では箱でした。
問題を解くときには「箱」であることに何の意味もありませんから、無視してさっさと本来の問題の部分にとりかかるほうが賢明です。
・見ただけでぱっと解き方がわかる問題はほとんど出題されない
どうやってその問題を解くかの方針をしっかりと立てて、そのために必要な事柄を書き込むなどの準備をしないと解けない問題がほとんどです。
・角度の問題は要注意
難しくはありませんが、慎重に解かないとポカをするように作られています。
・証明問題は得点源
特に相似の証明は簡単です。簡単な分、あっさり書き過ぎると高得点を望めないので、理由にあたる部分を丁寧に記述するべきです。
・「求め方も書くこと」の問題は、途中式を書くだけでは不十分
式ではなくて言葉で、間をつないでいかないといけません。ただし、びびることはありません。「論理の飛躍」がなければ絶対に減点されません。「〜だから・・・」の文法さえ守っておけば、減点されることはありません。
逆に、答えがまちがっていても途中の考え方が正しければ部分点をもらえます(答えが間違いでも配点10点中8点などという例があるそうです)。
mathematics 高校入試問題研究:数学(4)(大阪府公立の関数)
- 2009.12.22 Tuesday
- 算数・数学
- 21:22
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- by アリ
大阪府公立高校入試で出題される関数の問題について、解き方を考えます。
問題は平成21年度の後期B問題を使いました。
1(6)
左図において、mはy=ax2(aは正の定数)のグラフを表し、nはy=bx2(bは正の定数)のグラフを表す。a>bである。A、Bはm上の点であり、そのx座標はそれぞれ−3、5である。C、Dはn上の点であり, Cのx座標はAのx座標と等しく、Dのx座標はBのx座標と等しい。
AとC、BとDとをそれぞれ結ぶ。Lは2点A、Bを通る直線である。EはLとx軸との交点である。
[1]線分BDの長さは線分ACの長さの何倍ですか。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。
[2]Eのx座標を求めなさい。
解く前の準備
関数の問題は、解く前にグラフに式と座標を書き込むのが鉄則です。
「座標を書き込む」とは、問題に書いてあるx座標を書き込むだけでは足りません。
x座標とy座標をともに書き込んで初めて「座標を書き込んだ」といえます。
Aだと、x=−3で、式もy=ax2とわかっているので、y=9a、(−3,9a)と書き込みます。
C(−3,9b)、B(5,25a)、D(5,25b)も同様に書き入れておきます。
そして、関数の問題は、必ず座標同士の関係から式をつくり、解いていきます。
解いていく
[1]線分BDの長さは線分ACの長さの何倍ですか。求め方も書くこと。必要に応じて解答欄の図を用いてもよい。
求め方として、まず4点の座標を求める経緯を書いておきます。
次に、BDの長さは25a−25b
ACの長さは9a−9b
BDがACの何倍かだから、(25a−25b)÷(9a−9b)=25(a−b)÷9(a−b)=25÷9=25/9
解答:25/9倍
さらに解く前の準備
中学生が問題を解くときは、「方程式を使って解く」のが鉄則です。そして、「方程式を使う」とは、求めたいものをxとおく(書き込む)ことです。
この問題だと、点Eの座標を(x,0)としてもよいのですが、式のxなどと混同しないように、未知数をtにしてE(t,0)としました。
関数の問題でありながら、相似を利用することがあります。特に大阪府の入試では相似を使う関数の問題がよく出ます。
この問題も相似で解けそうなので、準備としてACとBDをx軸まで延長しておきます。
もう一つの注意点は、点Eのx座標tは負の数なので、距離(絶対値)は符号を入れ替えた−tになることです。(−3,0)と原点の距離も−3ではなくて符号を逆にした−(−3)、つまり3です。
これも、大阪府の入試問題ではよくあることなので知っておいてください。
解いていく
[2]Eのx座標を求めなさい。
2つの三角形の相似を使います。(t,0)と(−3,0)の距離は、−t−3
(t,0)と(5,0)の長さは−t+5
相似だから(−t−3):(−t+5)=9a:25a
9a:25aを簡単にして(−t−3):(−t+5)=9:25
9(−t+5)=25(−t−3)
−9t+45=−25t−75
−9t+25t=−75−45
16t=−120
t=−120/16
t=−15/2
大阪府公立高校入試、関数の問題の特徴
・問題文がくどくて長い
読み落とさないようにしようと身構えて読むと、解き始める前に疲れてしまいます。図で確認できることは読み流して大丈夫。必要なことがらだけをしっかり読み取って図やグラフに書き込むようにすることです。
・丸暗記で解ける問題は出ない
「交点→連立方程式」とか、「二等分→中点」のように、よく出る問題、誰でも解き方を知っている問題は出題されません(私立高校の入試問題とはそこが違います)。
この問題のように、式と座標の関係や相似の意味など、数学や関数の原理そのものから考えないといけない問題が出題されます。普段から、「なぜそうなるのか」を考えながら勉強しておかないと対応できません。
・考えながら計算をしないといけない
この問題の[1]がそうですが、25が9の何倍かという問題なら簡単です。ところが25a−25bが9a−9bの何倍かというように、あまり見かけたことのない計算が時々顔をだします。
解いているうちに解けてしまったという幸運は期待できません。解答の結末を予想しながら、「解けるはず」という自信をもって結論に向かって突き進んでいかないといけません。
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