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  • 2022.10.14 Friday
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Japanese 耳ざわりな副詞、「本当に」

 
一世を風靡した「そうですね」

王貞治選手がホームラン世界新記録の756号を達成したのは1977年です。
テレビでたびたび王さんのインタビューが放送されたのですが、アナウンサーの質問に答える王選手は、慎重な人柄ゆえか、必ず「そうですね、…」という言葉を冒頭につけてコメントをしていました。
「そうですね、丈夫な体に産んでくれた両親に感謝してい ます」「そうですね、チームのみんなの協力あっての記録です」。こんなふうでした。

英語で言うと、「Well,…」にあたる言葉でしょうか。

非のうちどころのない王選手のインタビューの中で、この「そうですね」だけが耳ざわりで仕方がありませんでした(同じ言葉を繰り返し使うの は、何語でも、耳に心地よくない、ガラスをくぎでこするのに近い)。

それから、まずスポーツ選手が、例外なくこの「そうですね…」を真似して使い始めた。やがて芸能人、政治家…、分野に関係なく「そうですね…」が蔓延していきました。

若い人の言葉の乱れが非難されますが、大人もたいしたことない、人のことは言えません。

この「そうですね」時代は約20年、続いたと思います。
偉大なり、王選手。


最近うっとおしい、「本当に」

1年ちょっと前でしょうか、NHKの連続テレビ小説『ちりとてちん』に私、はまりまして、関連番組も見まくりました。

主人公の女性落語家を演じる女優さん、共演者の草々、草原、四草役の俳優さん、マイクを向けられた人皆が、「本当にいい脚本で」「本当に共演者に恵まれて」「本当にいい思い出」と、『本当に』ばっかり頻繁に使うことに気づきました。

英語だと、「…,you know,…」ですかね。なんか教養のなさそうな外人さんがしきりに会話にはさむ、あの単語。

『ちりとてちん』の演者だけでは、なかった。
一度意識すると、テレビに出てくる若い人のほぼ全員が、台本がないとき、つまり、自分で考えて発言しないといけないときには、この「本当に」を連発することに気づきました。

「テレビを見ていると、本当に、出てくる人、出てくる人、本当に、 例外がないんですよ。これって、本当に、よくないなあって。私、本当に、気になってます。」こんな感じです。

いったん気になり始めたら、違和感ありまくり。
耳をふさぎたくなって、困っています。

(この「本当に」という語がなぜ流行っているのか、私流の理屈も考えてあるのですが、それはまた後日。)



English 英語長文問題の増加


最近、高校入試においても大学入試においても、英語の問題中、以前は多かった発音問題や文法問題が減って、長文問題の占める割合が非常に高くなってきています。
入試偏差値の高い学校ほど長文問題の比率が高いという興味深い傾向もあります。問題の中身は全然見なくても、長文問題の割合を見ただけで出題校の偏差値をあてることができるくらいです。


文法問題は短期の訓練、長文問題は長期の学習習慣

長文問題を解くに際し、前提として必要なのは問題文を読むスピードです。 単純に言えば、国語と同様、知識の勉強は一夜づけが効きますが、それに対して長文問題は英語の文章を読みこなした量(国語の読書量にあたる)が勝負を決めると言えます。読むスピードを速くするには読んだ文章の総量を増やす以外に有効な方法はないからです。

文法問題は、よく出題される問題に数多くあたり、頻出事項を確実に身につけること、長文問題は、嫌がらずに早い時期から数多くの文章を読みこなすこと、これが得点力アップの秘訣ということになります。


英語の長文問題を出題するほうの狙い

多分、訓練だけ、目先の受験勉強だけで正答率をいくらでも上げることができる文法問題だと、その学生の本当の資質を判定することはできない、長文を読みこなすことができる力、付け焼刃ではない総合的な英語の学力を持った学生を入学させたいというのが最近の潮流の意図でしょう。


長文問題で正しく学力は測れるか

正しい方向性だとは思いますが、この傾向に欠点がないわけでもない。

一つは、長文問題だけだと、特別よくできる子の学力は正しく測れるで しょうが、中間層以下の英語力を正確には測定できないのではないのかという疑問があります。
ある入学試験で、どんな問題を出そうが対応できる子の比率は多分受験者の上位2割くらいではあるまいか。文法問題だと勉強の質と量に比例して正規の分布で満遍なく得点が散らばるはずです(そうなるように問題を作りやすい)。長文問題だと、ほぼ完全にできている上位の子と、出題校の要求水準に完ぺきには対応できない中間層以下の子に分かれてしまい、問題の性質上、後者の子たちの得点にはあまり差がつかず、似たり寄ったりになる可能性が大きいのではないのかと私は疑っています。

二つ目、得点に現れる学力 は、生まれ持った資質と、幼いときからの生育環境と、勉強に対する本人の意識的な努力の量と、この3つの相関で決まるのではないかと思います。文法問題だと、最後の意識的な努力の量をほぼ正確に測ることができますが、長文問題は前者、資質や生育環境に依存する割合が高そうな気がする。

そもそも、入試でその人間の総合力を測ろうなんてのは、本当にアプリオリに善なのかなあ?

以前のように、重箱の隅をつつくような些末な文法問題を出題して受験生に意味のない受験勉強を強要するのもどうかと思いますが、入試を含め、学力試験なんてものは、そう欲ばらずに、準備に費やした努力を測定することに特化したほうが、本当はいいんじゃないの?なんてことを、最近ちらっと思っています。



Japanese 国語ほど楽な科目はない


そろそろ全塾生の中間テストの結果が返ってきました。どのクラスにも1・2名、心配な子はあるものの、ほぼ、まあまあのできかなというところです。

飛び抜けて点数のとれている子と、予想に届かなかった子の、どこが違うかというと国語の点数です。

今年最初の定期テストは、各学校とも国語がやや難しかった。こういう傾向のとき、国語で90点以上とれている子は5教科の合計点で470点、480点を超えます。

逆に、他の科目は満点近くとれているのに、国語が足を引っ張って合計点で見劣りするという子が例年より多少多くなってしまう。


読解問題と知識問題の比率

定期テストだと、漢字や文法、知識の問題の比率が高く、テスト前の勉強でどうにでもなります。今回成績の悪かった子は次にテスト勉強で同じ失敗をしないように頑張ればよいだけで、今回成績が悪かったからといって、塾としてはあまり心配はしていません。

入試だと、読解問題が70〜80%、漢字・知識の問題が20〜30%となり、読解問題の比率が相当高くなります。国語の成績が悪いからということで心配しないといけないのは、入試(本当の入試は受験するまで経験しないので実際には模試や実力テスト)で、読解問題の点数を稼げない子です。


苦労しないで満点近く得点できるのが読解問題

漢字や知識の分野は、一夜づけはききません。
時間をかけないといけないし、この分野の成績がある日突然よくなることはない。

ところが、読解問題は、コツさえわかれば、国語が苦手科目だった人でも、ある日突然、ほぼ満点近く簡単にとれるようになります。

では、そのコツとは何か。

一言で言えば、「答えのすべてを問題文(問いの文と本文)から探す」ということに尽きます。

記号で選択する問題でも、記述する問題でも全く一緒です。

問いの文中を探しさえすれば問題作成者がどんな答えを求めているかは一目瞭然、次に、求められている答えを本文中から探してきて、該当箇所を引っ張ってきて答えにすれば全問正解、きわめて簡単です。


実際に国語の得点力を伸ばすには

とはいうものの、私が子どもたちに、「答えのすべてを問題文(問いの文と本文)から探せ」と言い、子どもたちがその言葉を守ってくれさえすれば全員が満点がとれるかといえば、そんなことはありえない。
ことはそんなに単純ではない。

一例として、本文中から正解に該当する部分を探してくるといったって、文章を読むスピードが遅い子は探すだけで時間切れになってしまいます。

巷でよく、国語の力を伸ばすにはつまるところ読書しかないと言われますが、半分は嘘で半分は本当です。

読書量を増やしても、国語の得点力がそれに比例して上がるということはない。
その意味では嘘です。

しかし、読書量の足りない子は訓練不足で読む速さが圧倒的に遅いから、読むスピードそのものが国語の問題を解く水準に達していない、つまり最初から国語の問題を解くレースへの参加資格に欠けているという意味では当たっていると言えないこともない。

今日は総論のみ。実際の国語の指導法は次回以降で書いていくつもりです。



science 突然現れる理科の難問『圧力』


以前に比べると極端にやさしくなった中学校理科、ところが時折ひょこっと難問が顔を出します。


中1だと圧力

「重さ」と「力」、「力」と「圧力」の区別や関係は教えないまま、いきなり圧力の計算問題が出てきます。

さらに困ったことに、以前習った圧力の単位、g重/平方cmだと、まだ感覚的に理解できますが(1平方cmを1gで押す感じという説明で子どもたちになんとなく実感できる)、国際単位系に従って書き改められた今の教科書だと、出てくる圧力の単位はパスカルPa(N/平方m)です。
普段の実生活では全く使われないN(ニュートン)がいきなり現れたって、実感のしようがない。


圧力の問題の指導法

「重さ2kgの直方体を縦5cm、横8cmの面を下にして置いたとき、床面が受ける圧力はいくらか」という問題をどのように解かせるか、教え方に大変苦慮しています。

私の場合、
(1)圧力の単位はPa=N/平方mだとまず覚えなさい、そしてどんな問題もこの式、N/平方mにきちんと当てはめなさいというところから出発します。

(2)N/平方mのうち、まずNをきちんと求めさせます。100g=1Nである(これだけは全員がわりとすぐに覚えます)、だから2kgだと20Nになることを答えさせます。

このとき、全員がすんなりと20Nが浮かんではきません。
100gが1Nだから1kgは10倍の10N、1kg=10Nと覚えさせた後、2kgだから20Nとしないと解けない子がでてきます。

(3)さらに厄介なのが分母の平方mのほうです。

面積は5×8=40ですがこの場合の単位はcm×cmなので平方cmであることを確認させ、小学校の復習だということで1平方m=10000平方cmを思い出させた後、さらに40平方cmが0.004平方mだと換算させなければなりません。

小学生のときに習った1平方m=10000平方cmがすぐに思い浮かべられる子のほうが少ないし、さらに平方cmを平方mになおすことができない子が出てきます。

(最初から平方mを求める方法もあります。先に5cm=0.05m、8cm=0.08mと換算しておきます。0.05×0.08=0.004平方mで、1平方m=10000平方cmを使わなくても面積を平方mで求められます。公式に数値を忠実にあてはめるべきという理科の鉄則からすると、このほうが正しいやり方かもしれません。)

(4)ここまで苦労してたどりついたとして、まだ最後に関門が残っています。やっと出てきた20N/0.004平方mという分数を簡単な整数になおさなければ答えにはなりません。

私は、小学6年生の、分数は分母と分子に同じ数をかけても大きさはかわらないというところに戻って、分母分子にこの場合1000をかけさせます。20000/4になって、さらにわり算をして5000、これでやっと正解に到達です。


圧力の問題には子どもの苦手な領域が詰まっている

今の子どもたちが一番苦にする、
(1)公式を理屈はさておき正確に暗記する、
(2)(3)単位の関係を正しく覚えていてきちんと換算できる、
(4)分数の根元的な意味がわかっており正確に計算できる、
これらの条件のうち一つでも欠けていると、この問題は解けません。

これは、中学生になったばかりの子どもたちにとっては、ほぼ不可能に近いことです。

定期テスト前にはなんとか練習を繰り返して点をとらせますが、ほぼ全員がすぐに忘れてしまいます。

中3になって高校入試前、圧力の問題がさっぱりわからないと泣きつかれることが非常に多い(全科目、全単元中で一番多いのではないでしょうか)。


理科で丸暗記はどうなんだろう?

昨日書いた数学の例と同様、基本に暗記をすえた私の教え方がまずいのではないかという反省はしています。

しかし、中1のそれも最初の時期に圧力を教えるのに、「まず覚えてしまえ」以外のどんな教え方ができるのか、私にはさっぱりわかりません。


math 『式による説明』の指導


子どもたちの苦手な単元に『式による説明』がある。

なんとか解答できる子は5人中2人以下だと思う。
高校入試でもよく出る事項だが習い始めるのは中学2年生の今頃である。


典型的な問題、連続する3つの整数の和は3の倍数になることを説明せよ。を例に指導法を考察してみる。


模範解答

A:nを整数とすると、3つの連続する整数はn、n+1、n+2と表すことができる。

B:3つの整数の和を式で表すと、n+(n+1)+(n+2)=3n+3=3(n+1)

C:n+1は整数だから、3(n+1)は3の倍数になる。

これくらい書いておくとほぼ満点だろうか。


子どもたちが苦手な理由

まず、連続する整数をnを使って表すことの必要性が根本的にわからない。

次に、計算問題を数学と思っているから、問題を言葉によって説明する、記述するという形式に全くなじみがない。問いを見ただけで最初から無理だと諦める子が多い。

3(n+1)が3の倍数を表すという意味が全然理解できない。ましてや結論から逆算して式を作るという発想なんかこれまで習ったことなど皆無である。


私の指導法

一番最初に、問題集の基本的な問題を見つくろって取りあげ、解答を黒板に書いて子どもたちに見せる。

次に、その解答例を使って、この問題の答えとしては、上の例としてあげた模範解答のの3つがそろっていないと完答ではないと言い含める。

そして、の対策として、
(1)偶数は2n、奇数は2n+1、
(2)3の倍数は3n、5の倍数なら5n、
(3)2桁の数は10a+b、
(4)連続する整数はn、n+1、n+2、
この4つを、なぜそう表すのかの原理を説明した後、覚えさせる。

その後、の対策として、解答の式として、
問題文の内容を式に書出し(n+(n+1)+(n+2)の部分)、
計算して(3n+3)、
カッコでくくれ(式の最後の3(n+1))と、
書き方を教える。

最後にの部分の対策として、
結論の部分は、「(  )が整数だから、3(  )は3の倍数になる」の形を崩すな、と徹底させる。


丸暗記から入らないと教えられない問題ではないだろうか

もちろん、応用例としていろいろ膨らませはしますが、基本的にはで、出てくる文字式を数をしぼって覚えさせ、の部分についても、書く内容そのものを最初に型にはめて理屈抜きで覚えさせるという方法です。

この教え方だと、クラスのほとんどの子がほぼどんな問題が出ても書けるようにはなります。


数学の才能の芽を摘み取っているのでは

この方法以外に効果的な方法を私は考案できないでいるのですが、数学の教え方としては、あまりにも機械的な暗記に頼りすぎた方法であることは否めません。

子どもたちの数学の才能の芽を実は摘んでしまっているのではないかという危惧を常に抱きながら教えているといったところです。


lounge 世界で一番自由な国、日本(ゴミ屋敷を生むもの)


鳥の中で頭が悪いのはニワトリだと聞きました。3秒たったら何もかも忘れるそうな。

賢いのはカラスです。数も数えられるし物覚えもよくて人間なんか馬鹿にしているらしく、恨みをかったら狙われてずっと襲われ続けるという話も聞きます。

ところが、そのカラスの天敵がフクロウだそうです。今日、テレビで知りました。


箕面のカラス屋敷の話

箕面に、敷地面積500坪を超えるあるお屋敷があって、屋敷の持ち主は猫が大好きで、野良猫も含めて大勢の猫のためにえさを庭中に置いておられる。

その猫のえさを横取りしにカラスがやってくる。

大木が茂った林のような庭ですから、いつの間にかカラスが庭を住みかにしてしまった。住宅街で天敵のフクロウがいないので、何百羽も繁殖しているのだそうです。


カラスで近所は困り切っている


カラスの数が多すぎて、糞で汚れた屋根を何度も補修しなければならないし、カラスが何羽もとまってアンテナは壊されるし、キャットフードの缶を空から落とされるし、朝早くから鳴き声がうるさくて眠れないしで、街の人は困り切っている。

屋敷の主人に何度掛け合っても取り合ってくれない。市役所に申出て、市も特別に対策を考える課まで発足させ、予算を使ってあれこれ策を講じているが効果がないということでした。



所有権絶対の原則

ここまでの話だとカラスの生態でいわば理科の範疇ですが、私は市役所の担当者の話を聞いて首をかしげてしまいました。

市役所の人いわく、「自分の所有する土地の中で何をしようが所有者の自由である。野良猫を含めて何十匹の猫にえさを与えようが止めることはできない。その結果として、カラスが棲みついても、それをやめさせる法律がない。どうしようもないのです。」

近所の住民がいくら迷惑をこうむろうが、その対策に自治体の予算・税金がどれほど使われようが、この屋敷の所有者の行動に掣肘をくわえる方法は何もないのだというのが市の担当者の見解です。



アメリカや中国だと

アメリカでは、庭に雑草を生やしておくと近所の人に通報されて逮捕されると聞いたことがあります。

「自由の国」アメリカでも、所有権は簡単に制限される。近所迷惑にならないように雑草すら生やせないということです。

中国だと、所有権なんか、あってないようなものかもしれない。

ちょうど比較できる面白いニュースがあって、黒竜江省の黒河市当局は「犬のない町」を突然宣言、飼い犬を含めて犬を見つけ次第『撲殺する隊』を作って市内のパトロールを開始した、飼い犬を農村の親戚に避難させるなど、市民は大混乱だそうです。

法律上、所有者は何をしようが誰からも制限されることはないなどという意見が真顔で語られるのは、実は世界でも日本だけなのかもしれません。



法律の解釈のほうがまちがっている


しかし私は、法律がないから所有者は何をしても制限できないという役所の杓子定規な解釈のほうがまちがっていると思います。

迷惑を受けている近くの住民が被った損害の賠償を裁判所に求めたら、十中八九認められるはずです。
屋敷の持ち主が市の要請を拒んだら、猫のえさ場を撤去するなり、カラスの巣を取り除くなりの仮処分も認められる可能性のほうが大きいのではないか。

ただ、この屋敷の人のような、今までは法律で想定する必要などありえなかった生き方、考え方をする人が出現する変な時代に私たちは生きているということだけは確かなようです。


lounge 教室の壁紙を補修する


犯罪を減らすコツ

犯罪防止学の先生から聞いた話ですが、前のニューヨーク市長が犯罪を減らすのに何をしたか?

地下鉄やビルの壁面の落書きを徹底的に消させたのだそうです。

いたずらや好き勝手をさせない、ちゃんと管理の目が行き届いていることを匂わせておくと犯罪発生率は驚異的に下がるのだそうです。


教室を汚さないコツも同じか

大人も子どもも一緒ですが、真っ白な画用紙に最初に書き込むのは勇気がいります。

ですから、綺麗なままの状態を保とうと思ったら、教室の壁紙や机をいつも「真っ白」にしておくこと。

ゴミを見つけたらすぐに拾っておく、落書きを見つけたら即座に消しておく、はがれかかった壁紙は気がついたら糊付けして貼っておく。

最初の一穴をふさいでおくとそれ以上傷つけられたり汚されたりすることはほとんどありません。


ラベル印刷用のシールで壁紙補修にチャレンジ

しかし、長年使っていると不可抗力で教室は少しずつ汚れていきます。

雨漏りで弱くなった壁紙を知らずにさわって穴があいたりもします。補修しないといけません。

ホームセンターに行くと補修用の壁紙を売っていますが、破れたものと同じ種類の壁紙はまずないので、すり切れた服に「つぎ」をあてたようになってしまって、かえって不細工だったりします。それに、小さい傷や汚れの補修には、補修用の壁紙は向きません。

そこで私は、いろいろ試行錯誤して、パソコンのプリンターで使う、ラベル印刷用の裏にノリのついたシールを使っています。

傷や破れに応じて自由なサイズに切り取れるのが便利です。

長方形だと「つぎ」をあてたようになりますから、円形に切り取れるカッターを使って丸いシールを作って破損箇所に貼っています。

シールだとついついさわって剥がしたくなるのが人情なのか、時々剥がされかかった痕跡があったりします。

それで、さわるのに抵抗感があるように、シールに塾の真面目な授業風景の写真を印刷して貼ってみたこともあります。

これは人間心理をよみちがえました。かえって目立ちすぎて「さわってみたい感」を喚起したようです。今は元に戻って白いシールのまま貼っています。


馬鹿は考えすぎてますます馬鹿をする

小さい傷はそれで何とかなっているのですが、一カ所、大きく破れている場所があります。

壁の中も弱くなっていて、壁紙の表面がくぼんでしまって何度貼ってもシールが剥がれてきます。

もう大きなままの長方形のシールを貼らざるをえません。

しかし、そうすると四角ですから「つぎはぎ」になってしまう。私は幼いとき貧乏で、袖や膝に「つぎ」をあてた服を着させられていました。「つぎはぎ」にはトラウマがある。絶対にいやだ。

思いついたのが、壁紙と同じ色、デザインをシールに印刷することです。

これだと目立たなくなって「つぎ」に見えないのではないか。

グッドアイディアと手を打ったのはよいのですが、うちの壁紙はやや特殊で、似たようなデザインをどこから持ってくるかという難問が生じました

。ワードのテンプレートやその他、パソコン上、インターネット上、どこを捜しても似たデザインがない。

「壁紙」で検索すると、パソコンのデスクトップ画面の壁紙ばかり出てくる。

私の欲しいのはそっちの壁紙じゃない、本来の家屋の壁に貼る壁紙だ、世の中は狂っている、倒錯していると叫んでみても、どうしようもない。

困ったときは原点に立ち戻るべきです。

私の欲しいのは家屋用の壁紙である、世はインターネット時代、インターネットの神を疑ってはいけない、諦めてはいけない、家屋補修用の壁紙を通販しているサイトがあるはずだ、そこには私の欲しい壁紙の画像があるのではないか。

ありました!サイトはいくつも。

しかし画像がない。あっても画像のサイズが小さすぎる。「画像をコピー」、ワードに「貼付け」、「拡大」、「印刷」でやっと求めていたものに近いものを作り出すことができました。

(補修用の壁紙を通販で買ったらいいんじゃないの?という意見は受けつけません。ラベル用のシールで補修するという王道を踏み外してはいけないのです、理由はないけど。)

おととい貼ったシールは、ややしわになりながら、今日はまだ剥がれないで穴を隠してくれています。


social studies 裁判を傍聴したら人生観がかわった


裁判員制度始まる


昨日(2009年5月21日)から裁判員制度がスタートしました。

裁判員制度については日本弁護士連合会のサイト
http://www.nichibenren.or.jp/ja/citizen_judge/about/index.html
にわかりやすい説明があります。

早速、殺人未遂や強盗致傷など4件の裁判員裁判対象事件が起訴されたそうです。


裁判員制度への批判意見も多い

私も、もし自分が裁判員に選ばれたら嫌だなあって思っています。

仕事があるのに拘束されるのは嫌だし、死刑の可能性もある重大事件の判定をして人の人生を左右するのも嫌だし、被告人に顔を見られるから仕返しは怖いし、守秘義務があるから一生裁判についてしゃべることができないのも辛い。

しかし、制度として始まった以上、新しい国民の義務として、裁判員に選任された人は積極的に参加しないといけないのでしょう。


裁判所へ行ったら驚きの連続

ニュースを見て、大学生のとき、何度か京都地方裁判所に裁判の傍聴に行ったときのことを思い出しました(私は法学部の学生でした)。

いかめしい裁判所の建物内を誰からも咎められることなくコンビニ以上に自由に行き来できること(裁判の公開は憲法にも明記されていますから当然なのですが)、現代の人とは思えない裁判官の黒い法衣、被告人や検察官、弁護士と同様に傍聴人にも起立や礼が求められること等々、まさしく百聞は一見にしかず、驚きの連続でした。

何度通っても、どこか別世界に迷い込んだような感覚におちいったものです。


見てはいけない暗部を覗いた気がして傍聴をやめました

何度か実際の裁判を傍聴しているうちに、今まで世の中に存在することさえ想像できなかった暗い深い井戸をむりやり覗かされているような気がしてきて、私は裁判所に通わなくなりました。
それまでの自分の常識が根底からくつがえされる事例ばかりの連続で、すっかり気が滅入ってしまって裁判所に足を向けることができなくなったのです。

私が傍聴したのはおもに刑事裁判だったのですが、被告人のうちだれ1人として、私がそれまでの人生で知っているような「まともな」人はいませんでした。

「極悪人」という意味ではありません。強いて言えば、かわいそうな「社会の病理の被害者」ばかりでした。

罪名は強盗致傷と重大なのに、目の前に座っている被告人はしょぼくれた気の弱そうな小男です。検察官の読み上げる起訴状によると、幼くして親に捨てられ、ほとんど字の読み書きもできず、中学校もまともに卒業していない。知能指数は低く、一度もまともな職に就けず、人生のほとんどを刑務所暮らし。出所後1週間もしないうちにおなかをすかせて商店に押し入り、店の人ともみ合っているうちに怪我をさせて強盗致傷。

例外なく、こんな事例ばかりでした。

テレビや小説で見聞きしてきた裁判は大嘘のつくりごとだと思いました。必要なのは刑務所ではなくて病院だろうと憤慨さえしたものです。

私の傍聴した事件の全部が、判で押したように同じような事例ばかりでした。

おそらく、全国で裁かれている刑事裁判のほとんどが似たようなものではないかと私は疑っています。


(新潮ドキュメント賞を受賞した、元国会議員の服役囚山本譲司氏の著作『獄窓記』も、同じような感想を述べています。

「山本さん、俺ね、いつも考えるんだけど、俺たち障害者は、生まれながらにして罰を受けているようなもんだってね。だから、罰を受ける場所は、どこだっていいのさ。また刑務所の中で過ごしたっていいんだ」「馬鹿なこと言うなよ。ここには、自由がないじゃないか」「確かに、自由はない。でも、不自由もないよ。俺さ、これまでの人生の中で、刑務所が一番暮らしやすかったと思ってるんだ。誕生会やクリスマスもあるし、バレンタインデーにはチョコレートももらえる。それに、黙ってたって、山本さんみたいな人たちが面倒をみてくれるしね。着替えも手伝ってくれるし、入浴の時は、体を洗ってくれて、タオルも絞ってくれる。こんな恵まれた生活は、生まれて以来、初めてだよ。ここは、俺たち障害者、いや、障害者だけじゃなくて、恵まれない人生を送ってきた人間にとっちゃー天国そのものだよ」

新聞やテレビが報道するような犯罪、つまり、それまで普通に社会生活を送っていた人が偶々悪事をくわだてて起こすような事件をわれわれは犯罪だと思っていますが、そういう事例のほうが本当は例外中の例外だとしたら・・・。


裁判員になった人はどういう事件と遭遇するのでしょう?

裁判員になった人が、私と同じように見てはいけないものを見てしまうのではないかと、私はひそかにおそれています。


English 英語は暗唱につきる


「英語の勉強の仕方なんて簡単だよ。教科書本文の暗唱につきる。うちの塾では全員に教科書の文章を暗唱させるだけ。それでほぼ全員がテストで満点近くとってくる。騙されたと思って真似をしてごらん。」

塾で教え始めたときに同業の先輩から言われた言葉です。

この言葉は真理だと私も思っています。

しかし、暗唱だけでいいと一言で片づけられるほど実は物事は簡単ではありません。


英語が全くできない子はローマ字を理解していない

ローマ字と英語とは全く別物です。

しかし、何か最初によりどころになるものがないと勉強は出発できません。
文字と発音とのつながりを体系化したフォニックス法もありますが、初心者に教えるのに有効かどうか確信が持てない。やはり小学4年生で学んでいるローマ字を手がかりにしたほうがどの子にも通用しそうな気がします。

英語が全くできない子は、ローマ字もほとんど書けません。

penはペンだからpe(ペ)-n(ン)という思考回路をたどりません。電話番号と同じように、ペンはp(ピー)-e(イー)-n(エヌ)と覚えようとします。電話番号を100も200も覚えることは不可能です。

ところが例の『ゆとり教育』で、小学校で徹底的にローマ字を習う機会がありません。

1日で通り過ぎてしまう学校が多いと聞きますし、小学校4年生用の国語の塾専用教材でも、ローマ字にはよくて2ページほどしかさいていない。私の塾では、4年生で習うときと、6年生の最後に、ローマ字の学習に時間をかけるようにしています。

最初からローマ字がきちんとわかっている子は、例えば、「つづりを間違えやすいから高校入試に最もよく出る英単語はkitchen台所だよ、私はキットチェンと覚えたよ。」とか、「英語のOはオと発音することは少ない、またつづりのalの発音はオーだから、workがワーク、walkがウォークだよ(英語の苦手な子はたいてい逆に読みます)。」なんて話に、ついてこれます。

小さいときから英語を習っていながら中学校のテストで思ったほど点数がとれない子が増えていますが、その原因はローマ字が書けない、だからつづりが身についていないからです。


英文法を活用しないと入試では得点できない

高校入試の英語の文法問題でよく出題されるものに、「もし明日が晴れなら」の英作文があります。
日本人の感覚では未来のことを言っていながら未来形のwillが使えない。If it is fine tomorrow が正解です。
英文法をほとんど無視しているようにみえる最近の教科書を使って、英文法にほとんどふれなくなった中学校で、こんな事例をどう説明しているのだろうといつも疑問に思っています。

また、5文型を教えないまま目的語を2つとるgiveなどの授与動詞の文が出てきたり、補語という語を知らないまま「〜を〜にする」という意味でmakeが出てきたりと、かえって子どもにはわかりにくいのではないかと常々感じています。

高校生になったら英語の先生はいきなり文型や文法用語をばんばん使って授業を進めていきます。

高校入学直後にさっぱり英語がわからないと言ってほしくないので、塾では中学生にもわかりやすく、できるだけ英文法に基づいた指導を心がけなければなりません。

塾は英語の指導に関しては保守的

このように、塾での英語の学習は、(英文法を意識した)「読み」、(何度も書かせて単語や連語を覚えさせる)「書き」にまだ大きな比重をおいています。

それに対して、少なくとも今の中学校の英語の教科書は、「聞く」「話す」に比重を置きすぎていると言ってよいでしょう。小学校での英語の必修化はさらにその流れを加速するものです。
 

英語は暗唱だという言葉の正しい意味

保守的な塾の人間として、「書けなくても、理屈はわからなくても、英語が話せたらよい」という意味で暗唱をとらえるなら(今の学校での英語教育はこちらを向いています)、暗唱至上主義は誤りであると、私は(実際の指導経験から)言い切ることができます。

しかし、本当の意味で学力をつける、成績を上げることが目的の塾でも、やはり最終目標は暗唱なのです。

単語が書けて、英文法も理解した上で、最後には教科書本文を暗唱できるまで覚えないと、定期テストでも入試でも、高得点は望めません。

そういう意味で使うのであれば、「英語は暗唱につきる」、この言葉は真実をついていると言えるのです。


homeroom テスト勉強は何をするか


来週早々から中間テストの学校が多い。
そこでテスト直前、何を勉強したらよいのかを考えてみた。


今の得点獲得力でテスト勉強の内容が決まる

わかりやすいように数学、それも中学2年生の数学を例に考えてみる。

今回のテストの中2数学の試験範囲は『式の計算』である。
まず、(1)「項」「次数」などの概念が出題される。
(2)は計算問題が出る。最初に加減計算、分数の計算、乗法・除法の順で出題されるはず。
(3)は「式の値」。
(4)は「等式の変形」と「式による説明」。
最後に(5)で、発展問題として「規則性の問題」を出題する先生が多い。


得点別に分類してみる

このテスト内容で得点が50点を超えない人は(2)の計算問題でも点を落とし、(1)(3)(4)(5)はほとんど解けていない。

60点前後の人は、(2)の基本的な計算は分数の問題以外はほぼ正解、(3)は半々、(4)のうち「等式の変形」のやさしいものはできる、(1)は「次数」で落とし、(4)の「式による説明」はできず、(5)は手つかず。

80点から90点の人は、(1)(2)(3)(4)で多少のミス、(5)で時間切れという人。

100点がとれる人は、(1)〜(4)までは完璧、(5)に時間をかけて解ききった人である。


塾ではどこまで仕上げてあるか

(1)の概念は、最初から徹底し、よく忘れる事項なので忘れたころにまた何度も確認をしている。

(2)の計算問題は授業ごとに毎回反復練習し、ほぼ間違いをしないようになっている。

(3)の「式の値」は、解く前に問題のねらいを見極めるくせがついていない人は何度も「最初に代入する」という間違いをする。

(4)は出来不出来の差が大きい。学校では正答率は5割を切るはず。塾では反復練習し、多くの人は得意分野に仕上がっている。

(5)は学年トップクラスの人がチャレンジする問題で、ほとんどの人は時間的余裕がなく到達しにくい。


今の得点力別学習法

以上の分析から、個人個人が何に重点をおいて勉強したらよいかがわかってくる。(私は試験直前のテスト勉強で点をあげることが出来る余地は10〜20点だと思っている。例えば、ふだんの勉強で70点の力がついている人は直前の頑張りで90点までは上げることができるが、それまでの努力が不十分だと試験勉強だけでは限界がある。)

まずテスト勉強の題材だが、塾のテキスト、補助プリント類はほぼ終わっている時期だから、試験直前は学校から渡された問題集・ワークを活用することが効率的で、得点に直結する。

60点、70点が目標の人は、(1)(2)(3)で点を落とさないように、間違えた計算問題を何度もやり直すべきである。(4)は、これが出るぞと思う問題を出来るようにしておくと80点も夢ではない。

90点越えをめざす人は(1)〜(3)を見直した後、(4)を絶対に落とさない、どんな問題が出ても解けるようにしておくべきだ。

100点しか眼中にないトップクラスの人は、学校のテキストを仕上げた後、塾の問題集の応用問題や渡してある実力問題集で難問にチャレンジしておく。


他の教科でも同じ

例えば英語だと、(1)が基礎的な文法事項の理解、例えば中2だと過去形の疑問文・否定文の作り方、中3だと受動態の作り方など、(2)がテスト範囲の単語・連語、(3)が教科書本文の穴埋め問題、(4)が書き換えや簡単な英作文の問題などにあたる。

他の教科も同様だが、社会科や最近の英語、理科は、(5)にあたるものが出題される可能性が低い分、点がとりやすい。

自分に足らないものは何かをまず把握し、自分に今必要なものを見極めて勉強することがテスト勉強の要諦である。



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